道家|胡蝶の夢、あるがままに生きることを説いた中国思想

道家

道家は、諸子百家の一つで老子荘子によって作られた。老子は実在しないという説もある。孔子を始めとする儒家が人間的であり、道徳規範を押しつけた形であるのに対し、老子は、宇宙の根源である道(タオ)を信仰し、無為自然の、あるがまま生きることを説いた。老子は政治的側面があり、小国寡民へ戻ることを説いたが、荘子は政治から離れ、個人的な側面がある。

目次

老荘思想

老荘思想は、老子に始まり荘子が継承し発展させた思想である。宇宙の根本的な原理を道と呼び、人間が作為した道徳や価値観を捨て、万物をありのままに生み育てる自然の道と一体となって、無為自然に生きることを理想とする。老子においては、無為自然は人為的な道徳や虚飾に満ちた文化を捨て、万物を生み出す自然のままの道の働きに随順として生きることであり、荘子においては、是非・善悪・美醜・貴賤などの人為的な分別を捨て去り、絶対的無差別の混沌たる道と一体となって自由無碍に生きることである。

老子

老子は、楚の人で姓は李、名は耳といわれるが、伝説的要素が多く、その実在を疑う説もある。生没年不明。荘子とともに道家の租で、孔子と同時代といわれるが、かなり後世の可能性もある。老子は、儒教が形式化し、それに合わせようとする不自然な努力を否定し、いっさいの人為的なものを排して、万物の根源を無であるとし、そして無の性格は自然であるという、無為自然を主張した。老子の著とされる『道徳経』『老子』は前3世紀の作とされる。

無為自然

無為自然は、老子が説いた道家の根本思想である。いっさいの人為を排して、自然の原理に従って生きることを追求する。孔子の説く仁や礼を人為的なものとして退けた。のちに民間信仰と結びついて、中国思想界に大きな影響を与えた。

荘子

荘子は前4世紀頃に活躍した戦国時代の道家である。孟子とほぼ同時代の、宋の蒙(河南省)の人と伝えられる。孔子の思想を継承して、一望を捨てて無為自然の立場で、自然の変化に従って自由に生きる(「遊」という)ことを説き、個人的解脱をめざした。『荘子』33篇の内篇7篇が、彼の著作と考られている。


Sidebar