流体|自由に形を変えて流れることができる気体・液体

流体

流体とは、自由に形を変えて流れることができるもので、固体、気体、液体のうち気体や液体のことをいう。気体では空気、液体では水や油などに代表されるが、実際にはある種のゴムや地盤の液状化・流動現象などのように流体的な性質をもつ固体も存在している。流体を考える学問を流体力学という。

物質の構成

物質は分子同士の結合によりできているが、流体のうち、気体は拘束力が弱く自由に広がることができ、また液体は分子運動が拘束を受けるため、気体に比べて自由に広がらない。流体はこのような分子の構成がされているため、気体・液体両者とも、力を加えると自由に変形し、容器に入ると形を変える。

粘性

流体の分子や原子は互いに干渉しあい運動しているが、粘性とは、その運動に付随する分子間の摩擦力(抵抗力)のことである。

圧縮性

流体は加圧されると、その体積変化を起こすが、そのことを圧縮性という。

圧力の変化量

圧力の圧縮率

圧縮性流体・非圧縮性流体

流体の体積が力をうけて変形しやすい流体を圧縮性流体、そのことを無視していい流体を非圧縮性流体という。

理想流体

理想流体は、理想状態を想定した流体で、本来もつ流体の圧縮性や粘性を無視した流体である。流体の性質を考察するときに理想流体を想定することでより理解しやすいようにする。

圧力

圧力とは、流体の単位面積あたりに垂直にかかる力の大きさをいう。流体を考えるうえできわめて重要な要素となる。

  • 絶対圧力:絶対真空(0圧)を基準にした圧力。
  • ゲージ圧力:標準大気圧(101.3kPa)を基準に取った圧力で工業的に利便性が良い。
  • 差圧圧力:2つの他の圧力を基準に取った圧力で流量の測定に用いる。

パスカルの原理

パスカルの原理とは、容器内の圧力はどの部分でも一定であるという圧力に関する原理である。

流線・流跡線

流線とは、流体の運動を考えるときの仮想の線で、流体分子の速度ベクトルの包絡線をいう。また流体粒子がたどる道筋を流路線という。

定常流れ・非定常流れ

定常流れとは、速度、圧力、密度などの流れの状態が時間的に変化しない流れで、それに対して時間によって変わる流れを非定常流れという。

連続の式

連続の式とは、管内の流体を考えたときの流量に関する式で、流量(=断面積×速度)は一定という式である。

ベルヌーイの定理

ベルヌーイの定理とは理想流体を前提としたときの流体のエネルギーを表した式で、流体のエネルギー保存の法則を表している。ここでのエネルギーとは、速度エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギーのことでそれらの総和は一定である。

層流・乱流

層流・乱流とは流体の流れのことで、普通、緩やかな流れのときは層流で、流れが速くなるにしたがい流れは乱れていき乱流となる。

レイノルズ数

レイノルズ数とは、流体の層流と乱流に分かれるときの無次元数である。下記にも示す通り、慣性力/粘性力と表現できる。

臨界レイノルズ数

臨界レイノルズ数とは、層流から乱流へ変わるときのレイノルズ数のことで、円管では2300<Re<4000の間であるとされている。

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