汎用プラスチック|軽くて成形しやすい材料

汎用プラスチック

汎用プラスチックは、軽くて成形しやすい材料で広く使用され、我々の生活に根付いてる素材である。強度は劣るが、安価な製品のため大量に販売することができる。ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が代表される。

ポリエチレン(PE)

ポリエチレン(PE)は、原料が安価で、成形しやすく、多用途に用いられる。比重は0.92~0.95で、防水性、電気絶縁性耐油性があり、容器、ビン類、食品容器、包装用フィルム、ポリバケツなどに用いられる。生産量が最も多い。

ポリプロピレン(PP)

ポリプロピレン(PP)は、ポリエチレンに似ているが、より硬く、引張強さがある。比重は0.90~0.92で、耐熱性は110°Cである。絶縁性耐薬品性があり、繰返し曲げに強い。日用品から家電製品、自動車まで幅広く用いられる。

ポリスチレン(PS)

ポリスチレン(PS)は、比重が1.04~1.09であり、高い透明性を利用し、弁当やコップなどの日用品の容器として、広く用いられる。ポリスチレンに発泡剤を加えて成型する発泡スチロールはめん類や食品の断熱容器等として用いられている。

ポリ塩化ビニル(PVC)

ポリ塩化ビニル(PVC)は、比重が1.16~1.45であり、塩化ビニル(塩ビ)ともよばれる。耐水性、耐酸、アルカリ性に優れる。また、可塑剤の配合によって、硬質から軟質までの調整が可能である。主にパイプやホース、容器として用いられている。塩素を多く含むため、不適切な焼却処理で発がん性のあるダイオキシンが発生するリスクがあるため、代替化が進んでいる。

アクリル樹脂(PMMA)

アクリル樹脂(PMMIA)は、透明度が最も高いプラスチックであり、硬度も高い。さらに、熱加工しやすく、加熱して軟化させ、曲げ加工でき、その結果のにごりもほぼ発生しない。しかし、硬くてもろいという欠点がある。レンズなどの光学製品、照明器具やそのカバー、計器類のカバーなど、透明度を必要とする製品や、光ファイバに用いられる。また、アクリル樹脂の優れた強度を利用して、ガラスでは不可能であった水族館の大型水槽パネルが可能となった。

ポリエチレンテレフタレート(PET)

ポリエチレンテレフタレート(PET)は、軽くて透明で割れにくい材料として、清涼飲料や調味料などの使い捨て容器に広く用いられている材料である。ペット(PET)ボトルのリサイクルには、環境負荷の面から問題点も指摘されてきたが、近年はコスト面なども含めたリサイクルの取組みが加速している。

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