鎌倉仏教(鎌倉新仏教)|曹洞宗,浄土宗,浄土真宗,日蓮宗,他

鎌倉仏教

鎌倉時代は、仏教が民衆に深く広がった時代である。天台・真言の二宗を中心とする旧仏教が支配的ではあったが、鎌倉仏教・鎌倉新仏教と呼ばれる新興宗派が生まれた。念仏(浄土信仰)の系統では、法然の浄土宗、親鸞浄土真宗一遍の時宗。禅の系統では、栄西の臨済宗、道元の曹洞宗の2派。それに加えて日蓮日蓮宗である。鎌倉時代に生まれ、室町時代中期から戦国時代にかけて大きく発展した。

目次

鎌倉仏教の特色

鎌倉仏教の特色は、誰もができる優しい修行を繰り返し行うことにある。従来より修行に対する敷居が低くなることで広く民衆に広がった。具体的には、浄土諸宗の称名念仏、日蓮宗の題目、禅宗の只管打坐があげられる。

  1. 選択:明解な教えを選ぶ
  2. 易行:すべての人が実践できるやさしい行(易行いぎょう)
  3. 専修:選択や易行に特化して行う

鎌倉仏教が発展した背景

平安末期から鎌倉時代にかけて政治の実権が貴族から武士へと移り、それに加えて天災や飢饉により、民衆は苦難の時代を生きていた。そこでこうした民衆を救済する仏教が必要となってくる。法然の浄土宗、親鸞浄土真宗道元の曹洞宗、日蓮日蓮宗などが生まれるが、念仏や座禅、唱題など、だれにでも理解しやすく実践しやすい容易なものを続けることで救済されると説き、民衆に親しまれていく。

曹洞宗

曹洞宗は道元によって説かれた。悟りに至るためにひたすら坐禅に取り込む只管打坐を唱えた。主として地方武士団の帰依を受け、戦国時代末から近世初頭にかけては、東北地方の農民層に浸透した。

浄土宗

浄土宗は法然によって開かれた。法然は、専修念仏を説き、ただただ南無阿弥陀仏を念仏することで極楽浄土に達するとした。法然の下で学んだ親鸞浄土真宗を開くことになる。

浄土真宗

浄土真宗は、親鸞によって開かれた。師である法然の思想を深め、悪人正機と絶対他力をその教えの中心としている。蓮如が出てから急速に発展し、北陸から畿内・東海地方の農民のあいだに広まった。

日蓮宗

日蓮宗日蓮によって開祖した。法華経を最高の経典として南無妙法蓮華のお題目を唱えることを教えとする。元来、関東の下級御家人層に支持を得たが、室町時代から戦国時代にかけて畿内方面に進出し、主として京都と堺の町人に信徒を得た。

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