プロファイルプロジェクタ|光学投影で微細形状を高精度測定

プロファイルプロジェクタ

プロファイルプロジェクタは、被検物の輪郭を光学的に拡大し、スクリーン上で寸法・角度・形状を評価する非接触の二次元測定機である。加工部品の外形やエッジ品質、微細なRやテーパ、ねじ山や歯形などを短時間で観察・判定できるため、機械加工・プレス・樹脂成形・工具研磨現場で広く用いられている。拡大像を画面上のスケールやデジタル読取(DRO)で測る方式が基本で、テンプレートやCADオーバレイを重ねる合否判定にも適する。接触圧による形状変化が起きないのが利点で、エッジのコントラストが安定すれば再現性の高い測定が可能となる。

構成要素と基本構造

プロファイルプロジェクタは、光源、コンデンサレンズ、被検物を載せるXYステージ、投影レンズ、回転可能なスクリーン(プロトラクタ付き)、および焦点・倍率切替機構から成る。多くの機種でXYステージには微動送りとスケールが備わり、DROで位置をμm単位で表示できる。投影レンズは5×、10×、20×、50×などの固定倍率が一般的で、像面歪みが少ない設計が採用される。

光学原理と拡大率

透過した輪郭光または反射光を投影レンズでスクリーンへ結像し、等倍率のスクリーンマークやDROで寸法を読む。倍率の校正は標準スケールやゲージブロックによって行う。輪郭の寸法は「スクリーン上の長さ÷倍率」で算出でき、倍率誤差や像歪み、スクリーンの視差を管理することで測定の不確かさを抑えられる。高精度用途ではテレセントリック性が高いレンズや高輝度LED光源が採用される。

照明方式(透過・反射)

薄板や打抜き部品、刃先など輪郭を強調したい場合は透過(ダイアスコピー)照明が有効である。黒いシルエットとしてエッジが明瞭に出る。一方、段差や表面模様を観たい場合は反射(エピスコピー)照明を用い、リングライトや同軸落射でハレーションを抑える。両方式を切替可能な機種では対象とエッジ品質に応じて照明条件を最適化する。

測定機能と操作手順

  1. ワークをXYステージへ固定し、必要に応じて治具・Vブロックで安定支持する。
  2. 照明を選択し、焦点を合わせ、エッジのコントラストを高める。
  3. スクリーンの回転角度(プロトラクタ)を0に合わせ、基準エッジに平行化する。
  4. DROをゼロ設定し、対象形状の基点からX/Yを走査して寸法・角度・ピッチを取得する。
  5. CADオーバレイやグリッド、テンプレートを重ねて合否判定を行う。

ピッチ、直角度、テーパ角、R、ねじ山角、歯形諸元などの測定に対応し、エッジ検出は操作者の視認に依存するが、鮮鋭な輪郭を得れば再現性は高い。繰返し測定ではDROのプリセット・記録機能が役立つ。

代表的な用途

  • 切削工具(ドリル、エンドミル、バイト)の先端角・逃げ角・Rの確認
  • プレス・板金部品の外形、ノッチ、曲げR、バリ・カエリの評価
  • ギヤ歯形・歯先丸み、カムプロファイル、フォロワの当たり
  • 樹脂・ゴム成形品のフィン、抜き勾配、シールリップ形状の確認
  • ねじ山角度・ピッチ・有効径の外観測定(専用テンプレート併用)

形式(水平型と垂直型)

水平型は横から投影し、長尺ワークや棒状部品に適する。垂直型は上方から投影して薄板や小物の段取りが容易で、量産検査に向く。スクリーン径は300~500mm級が一般的で、視認性と設置スペースのバランスで選定する。

精度・校正・不確かさ

主な誤差要因は倍率誤差、像歪み、スクリーン視差、ステージの直角度・平面度、温度変化、照明条件によるエッジ移動である。日常点検では標準スケールで倍率を確認し、ステージ走査でX/Yの直交性をチェックする。定期校正ではレンズ倍率、スクリーン目盛、DROスケール、回転角度を総合確認する。温度は20℃基準を維持し、ワークのなじみ時間を確保することが望ましい。

規格・図示と合否判定

プロファイルプロジェクタは、幾何公差の指示に基づく輪郭一致・寸法合否の判断に適する。テンプレート法(トレーシングペーパーやフィルムで理想輪郭を作成し重ねる)や、CAD由来のオーバレイ(DXF等)を用いると、歯形やカムなど連続曲線のズレを直感的に把握できる。角度はスクリーンのプロトラクタで直接読むか、DROの座標差から算出する。

選定ポイント

  • スクリーン径:視認距離と作業性。量産現場は大径が有利。
  • 倍率レンジ:5×~50×の組合せ。広範囲測定は低倍率、微細形状は高倍率。
  • ステージ移動量と耐荷重:ワークサイズに見合うストロークと剛性。
  • 照明:透過/反射の切替、輝度安定性、ハレーション抑制。
  • DRO機能:原点プリセット、角度演算、データ出力(SPC)対応。
  • 像品質:歪み・均一性・コントラスト。必要ならテレセントリック。
  • 自動化:CNCパターン測定、レシピ化、測定報告の自動生成。

ビジョン測定機・顕微鏡との違い

プロファイルプロジェクタは、広視野で輪郭を直感的に扱える点が強みである。自動エッジ検出や三次元段差の取得は画像寸法測定機(2.5D)や三次元測定機(CMM)が得意だが、段取り時間やコスト、合否の即時判定では本機が優位な場面が多い。観察を重視する用途では光学顕微鏡、接触寸法の素早い確認にはハイトゲージレバー式ダイヤルゲージ、表面性状には表面粗さ計、真円要素には真円度測定機が適材適所となる。

段取り・作業性の工夫

量産では治具化が効果的である。Vブロックや角度プレートで基準面を再現し、ゼロセットを短縮する。エッジ品質が低いワークは照明角度や絞りを微調整し、コントラストを稼ぐ。測定点の順序を標準化し、DROのレシピやチェックシートに落とし込むとバラツキ低減に寄与する。測定画像をカメラで記録すればトレーサビリティも担保しやすい。

スクリーン回転機構の使い方(補足)

スクリーン外周の分度目盛は0設定後にエッジへ合わせ、角度を直接読取る。微小角ではXYの差分からtanθ≈ΔY/ΔXとして演算する方法も実務的である。高倍率時は視野が狭くなるため、低倍率で基準合わせ→高倍率で詳細確認と段階的に行うと効率が良い。

テンプレート・CADオーバレイの活用(補足)

テンプレートは熱収縮や印刷誤差に注意し、定期的に標準スケールと照合する。CADオーバレイはスケール因子を厳密に合わせ、スクリーン中心と基準点の合わせ込みを徹底する。DXFオーバレイとDRO記録を併用すれば、合否と寸法値の双方を整然と保存できる。