ゴルギアス|ソフィスト

ゴルギアス(B.C.483?~B.C.376?)

ゴルギアスは、古代ギリシアで活躍した哲学者である。シチリア島のレオンティノイの出身。エンペドクレスに学んだという逸話が残されている。ソフィストで弁論術の第一人者として活躍した。外交使節団としてアテネを訪れて、その雄弁ぶりが有名となった。論敵であったソクラテスと対立する。プラトンの対話篇 『ゴルギアス』に登場する。

ゴルギアス

ゴルギアス

弁論術

プロタゴラスのような徳の教育ではなく、弁論によって説得する具体的な技術の方が重要である。ゴルギアスは世界は虚無で不可分であり、あらゆる言説には真実がないから、言葉の力を利用して、自らの利益にすべきであると説く。

ゴルギアスの弁論の内容

ゴルギアスの弁論の内容はアリストテレスによって説かれている。
1.発想:アイデアを練り、何をどのように言うかを発見する。
2.配置:情報の配置、配列、順番、構成。序論・本論・結論。序論・叙述・確証・結論などのパターン。
3.修辞:印象的・効果的・説得的表現。言葉の選択、文彩、文体。
4.発表:表情、ジェスチャー、発声、パフォーマンス、服装など。

虚無主義と不可知論

ゴルギアスは、存在を否定する虚無主義と客観主義を否定する不可知論を唱える。
『あるものについて、あるいは自然について』
1.なにものも存在しない
2.たとえ存在しても人間には認識されない
3.たとえ認識されたとしても、それを人に伝えることができない

ゴルギアス

ゴルギアス

断片からの引用 不可知論

第一に何も有らぬということであり、第二は、たとえ有るとしても人間には把握されないということであり、第三はたとえ把握されたとしても隣人には決して伝えることも理解させることもできないということである。

断片からの引用 弁論術

弁論術とは、法定においては裁判官たちを、民会においては市民たちを、その他あらゆる政治的集会において人々を説得するための技術である。

散文

修辞法を得意として散文の文体論についても貢献している。

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