ゲートバルブ
ゲートバルブ(仕切弁)は、配管内の流体を全開または全閉で制御する直線運動形の弁である。弁体(ゲート)が流路を垂直に遮断・開放する構造で、全開時の流路はほぼ一直線となり、圧力損失が小さいのが特徴である。一方で絞り制御には適さず、半開運転は座面摩耗やキャビテーションの原因となる。水処理、発電、石油・化学プロセス、パイプラインなど幅広い分野で用いられる。規格はJIS、ASME、APIなどで材質・接続・寸法が定められている。
構造と作動原理
ゲートバルブは本体(ボディ)、ボンネット、弁体(くさび形または平行形)、弁座(シート)、ステム、グランドパッキン、ハンドル(またはアクチュエータ)から成る。ハンドルを回すとステムが上下し弁体が直進して流路を開閉する。OS&Y(Outside Screw & Yoke)の上昇式は開度が外観で判別しやすく、非上昇式は省スペースである。シートはメタル同士の摺動が一般的だが、低圧や腐食流体向けにソフトシートを用いる場合もある。
【KMKライフ 四日目】
不在時、水道の元栓を閉めて帰っているんだが、メーターの下のくるくる回る水量計が微妙にゆっくりと動いている。母屋側のボイラーの排水口からちょろちょろ出ている。ゲートバルブ (止水弁) が劣化しているのはしょうがないが元栓を閉めたら止まらなくちゃだめだよね?/kin pic.twitter.com/vxP3cfdMxl
— Atsushi [kin] Kaneda (@woodskin) August 14, 2025
種類(弁体・構造・駆動)
- 弁体形状:くさび形(単一または分割くさび)、平行スライド、スラブゲート、スラリー向けのナイフゲート。
- 接続方式:フランジ、ねじ込み、溶接(BW/SW)。配管仕様・保守性に応じて選定する。
- 駆動:手動、ギア操作、電動、空気圧。頻繁操作や遠隔制御は電動・空圧が有効である。
- 材質:鋳鉄、ダクタイル鋳鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、耐熱・耐食合金。流体温度・腐食性・圧力に応じて決める。
特性と適用条件
ゲートバルブは全開時の流路が直線で、圧力損失が小さい。スラリーや懸濁物を含む流体ではナイフ形や平行形が詰まりに強い。半開での絞りは座面の乱流・振動・エロージョンを招くため避けるべきである。開閉には多回転を要し、即応性が求められる用途では他形式が選ばれることもある。
色々準備して手をつけるの遅くなってるけど
ボールバルブからゲートバルブに変更!
数ミリしか水中にパイプが入ってないけど
落水音が皆無になりましたw pic.twitter.com/uSHueoNZIB— あくろ (@akuro1226) September 21, 2024
選定ポイント
- 設計条件:圧力等級、温度範囲、流体性状(腐食性・粘度・固形分)。
- 端接続・据付:フランジ規格、溶接性、開度表示、上方空間(上昇式のストローク)。
- 材質・シート:腐食・摩耗・温度に対する耐性、メタル/ソフトの適否。
- 保全性:グランド部の締付け・交換容易性、ボンネット分解性、予備品の標準化。
- 規格適合:JIS、ASME、APIなどの適用セクションと検査要求(圧力試験、耐火・低温試験等)。
保守と点検
ゲートバルブの典型的な不具合は、シートリーク、ステム固着、グランド部からの滲みである。定期点検では(1)全開全閉の作動確認、(2)グランドナットのトルク点検、(3)ステムねじの清掃・給脂、(4)弁座面の傷・腐食の有無を確認する。漏れ量や操作トルクの増加は摩耗・偏心・堆積物の兆候であり、座面ラッピングや部品交換を検討する。長期開放状態でも定期的にストロークさせ固着を防ぐと良い。
ははは!
ある施設のφ40のゲートバルブ取替!甲止の後のバルブで水ちゃんと止まってよかった〜くそやばそうなバルブだった、、、🫨 pic.twitter.com/bGfsY4bAtR
— オタ君@設備屋アトツギ (@suido_man) February 9, 2025
施工・据付上の注意
配管芯ズレは弁体の偏摩耗を招くため、フランジ芯出しとガスケット厚み管理を徹底する。上昇式では上部クリアランスを確保し、アクチュエータ自重による配管荷重はサポートで受ける。水撃抑制のため開閉はゆっくり行い、初期フラッシングでスケールや溶接ビード片を除去する。フランジ締結ではボルトを対角順序で均等に締め付け、パッキン座面を損なわないことが重要である。
代表的な使用分野
- 上下水・海水系:耐食材質とゴム座で低圧・大口径に適用。
- 火力・石油化学:高温高圧ラインに鍛鋼・合金鋼、ステライト硬化座を用いる。
- パイプライン:スラブゲートやエクスパンディングゲートで高封止性を確保。
- 製紙・鉱業:スラリー向けナイフゲートで堆積・閉塞を低減。
フォロワーさんからの質問
グローブバルブとゲートバルブの外観での見分け方がわかりません。
グローブバルブ(玉形弁)は、管路の部分が丸みをおびています。
一方、ゲートバルブ(仕切弁)は、弁体(ゲート)を上げ下げ出来るように管路と弁棒の部分が、くびれています。
見比べてみましょう! pic.twitter.com/UPaswdrfyg— スパメン (@spa_mente) June 12, 2024
用語補遺
OS&Yはステムねじが外部に露出する形式で保守性に優れる。フルボアは流路径が配管径と同等で圧損が小さい設計である。ダブルブロック&ブリードは上流・下流を二重遮断し、中間をブリードして封止確認を行う考え方である。これらの概念はゲートバルブの運用信頼性や安全計装の議論で頻出する。
設計・品質保証の留意点
ゲートバルブの品質は、鋳造欠陥の管理、機械加工精度、表面硬化、組立清浄度、圧力試験(ハイドロ/エア)、塗装・識別表示までの一連の工程品質で決まる。トレーサビリティ(ヒートNo.、ミルシート、検査記録)を維持し、現地受入では外観・寸法・操作トルク・漏れ基準を適合確認する。ライフサイクル全体でのリスク低減が、安定運転とTCO最小化に寄与する。