幾何公差の普通公差 General geometrical tolerance
普通公差は、JISで規定されている、一般的に適用されている公差であるが、幾何公差(真直度、平面度、直角度、対称度、円周振れ)にもそれぞれ一般的な公差が規定されている。公差等級にはH、K、Lの三種類があるが、工場によっては測定できない精度があり、注意が必要である。
普通公差が適用されるもの
真直度及び平面度の普通公差
公差等級 | 呼び長さの区分 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
10以下 | 10を超え 30以下 |
30を超え 100以下 |
100を超え 300以下 |
300を超え 1000以下 |
1000を超え 3000以下 |
|
H | 0.02 | 0.05 | 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.4 |
K | 0.05 | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
L | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.8 | 1.2 | 1.6 |
直角度の普通公差
直角度の普通公差は下記のとおりである。このとき、長いほうの辺をデータムとする。
公差等級 | 呼び長さの区分 | |||
---|---|---|---|---|
100以下 | 100を超え300以下 | 300を超え1000以下 | 1000を超え3000以下 | |
直角度公差 | ||||
H | 0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.5 |
K | 0.4 | 0.6 | 0.8 | 1 |
L | 0.6 | 1 | 1.5 | 2 |
対称度の普通公差
対称度の普通公差は下記のとおりである。このとき、対称となるふたつの辺のうち、長いほうをデータムとする。等しいときはどちらのデータムでもかまわない。
公差等級 | 呼び長さの区分 | |||
---|---|---|---|---|
100以下 | 100を超え300以下 | 300を超え1000以下 | 1000を超え3000以下 | |
対称度公差 | ||||
H | 0.5 | |||
K | 0.6 | 0.8 | 1.0 | |
L | 0.6 | 1.0 | 1.5 | 2.0 |
円周振れの普通公差
公差等級 | 円周振れ公差 |
---|---|
H | 0.1 |
K | 0.2 |
L | 0.5 |
JISとISO
幾何公差の普通公差は、日本だけでなく世界でも共通である。寸法公差の普通公差m(中級)と普通の幾何公差のHの両方を規定する場合、表題欄の中や近辺にJIS B 0419-mHやISO 2768-mHと表記する。