平安仏教|現世利益,加持祈祷,末法思想,浄土信仰

平安仏教

平安時代の仏教は、最澄天台宗空海の真言宗によって代表される。平安仏教の特色は、鎮護国家を残しながらも、仏教本来の悟りのための宗教が重視された。大陸から伝えられた大乗仏教を民間の信仰と結びつけ、日本的な仏教文化の基盤をつくったことにある。それは、『法華経』および密教経典に基づき、加持祈祷など呪術的な実践を行った。現世利益の仏教であったため、国家護持の祈祷、雨乞いなどの他、個人的な息災や利益を祈る密教修法が発達し、貴族の熱心な帰依や保護を受けた。また思想面でも天台宗における仏教教学の体系化、真言宗における密教的世界観の完成など、のちにさまざまな日本仏教が広がるもととなった。また、平安時代後期には相次ぐ戦乱や飢饉が庶民を襲い、末法思想や浄土信仰が民衆の中で広がった。

目次

政治的背景

奈良時代半ば、鎮護国家を重視するあまり、仏教の力が強くなり、道教に見られるような政権を狙う僧侶も出現した。桓武天皇は、腐敗した仏教勢力を淘汰するために、784年、長岡京の遷都、794年には平安京へ遷都した。天皇主導の律令国家を目指し、最澄空海といった新生の僧侶に宗教を託した。

現世利益

現世利益とは、息災・治病・延命・得財など、現実の人生で神仏から授かる利益をさし、平安仏教の特色をなす。神仏の恵みが現世で与えられるという現世中心主義の信仰に基づく教えで、仏教は、伝来当初から現世利益と結びついていたが、奈良・平安仏教は、加持祈禱と結びついてこの傾向が強くなった。特に平安中期には貴族の摂関政治が確立し、従来の律令の理念は形骸化した。天台宗も密教化し、病気平癒・出世など私的な現世利益に答える貴族宗教になっていった。

加持祈祷

病気や災難を除くために、仏の加持を祈る呪術の一種。本来は、生きとし生けるものの魂の覚醒をめざして仏の力が行者に加わること(加持)であり、それに向かっての純粋な祈り(祈祷)を意味するが、奈良・平安仏教では現世利益と結びつき、呪術的なものとして広がった。

山岳仏教

俗世から離れ、山にこもって修行したことから山岳仏教とも呼ばれる。

最澄

最澄は平安仏教を代表する仏僧で『法華経』を最高の経典とする天台宗を確立した。比叡山は仏教の最奥楽譜としての地位を確立する。

空海

空海は、大寺院の腐敗した仏教に距離を置き、真の仏教を求めて中国に留学した。空海は万人の即身成仏を説き、加持祈祷を行う密教である真言宗を確立した。

神仏習合

このころ、神仏習合が進み、権現などの霊験あらたかな本地垂迹説が語られ始めるようになり、庶民に根付く中世民衆信仰の神となっていった。さらに国風文化が形成されていく中で、天神や怨霊信仰が生まれていく。

末法思想

平安後期になるにつれ戦乱や凶作など庶民の生活は苦しくなっていく。そうした中で末法思想や死後往生を願う浄土信仰が流行した。南無阿弥陀仏の念仏を普及した空也や現世否定の思想を広めた源信などが庶民のなかで支持を受けるようになった。

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