工作機械|工作機械の定義と種類,マザーマシーン

工作機械

工作機械は、主に金属の工作物を切削研削などのほか、電気などのエネルギーを利用して、不要な部分を取り除き、所要の形状を作り上げる機械である。あらゆる機械部品を作ることから機械の生みの親という意味でマザーマシーンと呼ばれる。

マザーマシーン

工作機械は、マザーマシーンとよばれる。工作機械は、「機械の原点」であり、あらゆる機械を構成している機械部品を作り出していることからこう名付けられた。

JIS規格

工作機械とは、主として金属の工作物を、切削、研削などによって、または電気、その他のエネルギーを利用して不要部品を取り除き、所要の形状を作り上げる機械である。ただし、使用中、機械を手で保持したり、マグネットスタンドによって固定するものを除く。

工作機械の特徴

  1. 機械を作る機械(マザーマシーン)であり、すべての産業の基礎である。
  2. 母性原理が成り立つ
  3. 変位規準の設計(剛性設計)を基本としている
  4. 自分が生み出す製品により、自分自身がさらに進歩する

工作機械の種類

工作機械には旋盤やフライス盤に代表されるような、様々な種類がある。加工の目的に応じてそれぞれの工作機械が使われる。近年ではNC旋盤と呼ばれるような自動化・多機能化が進み、1台で多くの機能を果たす方向にアップデートが繰り返されている。

旋盤

旋盤は、工作物を回転させ、刃物(バイト)など静止工具を使用して外丸、削り、中ぐり、突切り、正面削り、ねじ切りなどの切削加工を行う機械である。もっとも基本的な工作機械といえる。一般的な汎用旋盤において三つ爪スクロールチャックに材料を直接加えた場合、偏心軸加工のように中心軸がずれる切削はできない。また、回転運動であることから、方向に直線的な切削加工もできず、円・筒状のものを加工するために使われる。

フライス盤

フライス盤は、主軸に取り付けた刃物(フライスカッタやエンドミル)を回転させ、工作物に送り運動を与えて切削加工を行う機械である。旋盤ともに代表的な工作機械としてあげられる。基本的には、角物部品を切削の対象とする。

中ぐり盤

中ぐり盤は各種の穴を高精度に仕上げる機能をもった工作機械である。フライス盤のような加工も行うことが出来る。

平削り盤

平削り盤は、テーブルに取り付けられた工作物を水平往復運動させ、刃物(バイト)は工作物の運動方向と直角方向に移動させながら、主として大きい工作物の平面削り加工を行う機械である。

形削り盤

形削り盤は、刃物(バイト)が水平往復運動し、テーブルに取り付けられた工作物は、刃物(バイト)の運動と直角方向に移動させながら、主として小さい工作物の形削り加工を行う機械である。

平面研削盤

平面研削盤は、角物や板物の表面(平面)、丸物の端面などを対象に、といし車を高速で回転させ、研削する機械である。仕上げ加工で用いられる。

円筒面加工用研削盤

円筒面加工用研削盤は砥石と呼ばれる工具を使って丸物部品の外周や内面を高精度にしあげるための工作機である。代表的な物として円筒研削盤や心なし研削盤があげられる。円筒研削盤は、円筒形工作物の外面を研削する機械である。一方、心なし研削盤は、支持刃と調整車で工作物を支えて研削する機械である。この場合、研削といしと調整車の回転方向は同じであり、工作物を取り付ける必要がなく、長いものでも均一に研削でき、生産性は高い。

ホブ盤

ホブ盤はホブ(円筒面にねじ状に切れ刃がつけられた刃物)を使用し、工作物およびホブを回転させて創成歯切りする歯切り盤である。

ホーニング盤

ホーニング盤は、円筒や穴の内面の精密な仕上げに用いられる機械である。加工には、といしを工作物に押し当て、工作物とといしとの間で回転・往復運動させて平滑な仕上げ面を得る。

ボール盤

ボール盤は、切削工具であるドリルを使用して工作物に穴あけ加工を行う工作機械である。工作物は固定され、ドリルは主軸とともに回転し軸方向に送られる。穴の大きさは使われるドリルの径に依存する。ボール盤の種類は多く、卓上ボール盤、直立ボール盤、多軸ボール盤、多頭ボール盤がある。

タイトルとURLをコピーしました