プラトンの政治

プラトンの政治

プラトンは政治に強い興味があり、政治的な能力も高かった。軍人として戦争も経験している。国家観は保守的であるが、現実の政治はソクラテスを死に追いやり、また、晩年、若き支配者ディオニシオス二世の教師としてシシリーに行こうとしたが、政治的妨害にあい断念、国家に裏切られた生涯であった。プラトンの政治思想は理想主義的である。国家全体で正義、節制(生産階級)、勇気(軍事階級)、知恵(支配階級)の四元徳を成し遂げることが重要であるとし、倫理的な側面が強い。

理想国家

理想国家

理想国家

現実の国家や政治はフュシス(もの本来の姿)にしたがって行われていない。そこで善のイデアの体得者の哲学者が王となり、哲学者の命令と支配に服従すべきという哲人政治を考えた。(理想国家

四元徳と政治体制

徳には四元徳があり、正義、節制、勇気、知恵である。人においてそれぞれの徳がバランス良く調和をとっているとき、優れた善き人だといえるように国家についてもこれら四元徳の調和が必要である。節制にあたるのは一般大衆である農民や職人などいわゆる生産階級であり、勇気にあたるのは攻守の要である軍人階級であり、知恵にあたるのが統治者である政治家(プラトンにとっては哲学者)、軍人の中でも才能のある軍人階級であり、これらの3つが調和している国家が全体として調和するとき、そこに正義が生まれ、正義のある国家が生まれる。このことは階級制度を肯定的に取っており、民主主義とは相性が悪い側面を否定できない。

フュシスの支配

十五年間(1)算術・幾何学(魂を感性界から解放)(2)天文学(魂を上方に向かわせる)(3)音楽(調和を学ぶ)(4)ディアレクティケーを学び、後15年間、官僚として政治にたずさわり、五十歳で引退する。哲人国家では、善と正義だけが行わなければならないから、青年教育が重視された。たとえば笛や琴は禁止、よい物語だけを書くよう規制し、節度の無い興奮、情欲、滑稽なども知らせない、勇気や思慮の類だけ示し、身体の鍛錬の実施を行う。

プラトン


プラトン

『国家』プラトン

哲学者たちが国々において王となるのでないかぎり、あるいは今日、王とよばれ、権力者と呼ばれている人たちが、真実にかつ十分に哲学するのでない限り、つまり政治的権力と哲学的精神とが一本化されて、多くの人々の素質が、現在のようにこのふたつのどちらかの方向に別々にすすむことが強制的に禁止されないかぎり・・・・・・国々にとって不幸のやむことはないし、また、人類にとっても同様だとぼくは思う。