フランツ・ブレンターノ Franz Clemens Honoratus Hermann Brentano 1838年1月16日 – 1917年3月17日
オーストリアの神学者、哲学者、心理学者。神学を研究し、アリストテレスやトマスアキナスを通じて、哲学に入り、さらに心理学の方面に一新し機軸を開いた。フッサールの現象学などに大きな影響を与えた。
思考的関係
まず、精神現象と物理現象の区別に着眼した。物理現象は時、空、因果等のカテゴリーにしたがって、生起する自然界の出来事であるが、精神現象は、このようなものではない。精神現象はその中に対象を含み、意味を指示した特殊なる作用である。すなわち、精神現象は、我々の精神無いに起こるひとつの作用であるが、その中には対象が含まれ、意味が指示されている。ブレンターノは、この関係を思考的関係(内在的対象性)と名付けた。精神現象の特色は、なにものかを指示する意味の内在、つまり対象の思考的内在にあるということである。意識と対象との関係は嗜好性を通じて、対象は意識に内在する。