ねじの材料

ねじの材料

ねじの材料は鉄鋼やステンレスが主に使われる。大型の機械や装置には多くのねじを使用する分、軽い素材であるチタン合金アルミニウム合金などが使われるが、いずれも高価なため重要な箇所にのみ使われる。

鉄鋼

ねじの材料は安価で入手しやすい鉄鋼が多い。強度や靭性(粘り強さ)を備えている。多くは炭素鋼である。

ステンレス

ステンレスは錆にくく耐食性に優れているため、ねじに使用される。SUS304や強度の高いSUS316が多い。

チタン

チタンは耐食性と軽量性、非磁性、耐熱性がよいなどねじに必要な高い性能を備えている。特に海水に対する耐食性が非常に優位であるが、高価で加工性が悪いため使用頻度は低い。純チタンと強度を高めたチタン合金がある。チタン合金ステンレスや鋼よりも比強度が高いが、強度それ自体が高いというわけではないため注意が必要である。

アルミニウム

鉄に比べて、3分の1軽いアルミニウムのねじが使われる。航空機など軽さを求めるところに使用されるが、アルミニウムは柔らかいため、様々な添加物を加えたアルミニウム合金が使用されている。

Al-Mg合金(5000番系)

Al-Mg合金(5000番系)はアルミニウム合金の中でも非常に耐食性が高く加工性も良好である。

Al-Cu合金(2000番系)

Al-Cu合金(2000番系)は強度や硬度が高い。

ジュラルミン・超ジュラルミン・超々ジュラルミン

A2017(ジュラルミン)やさらに強度が高いA2024(超ジュラルミン)は鋼に匹敵する強度がある。ただし、Cu成分が含まれており、耐食性は劣る。A7075(超々ジュラルミン)はもっとも強度が高く航空機などで使われている。

表面処理

ねじに強度や耐食性を付加するため、めっきやアルマイトなどの表面処理を施す。

亜鉛めっき

亜鉛めっきとは、鉄鋼の防錆・防食を目的としたもので、ねじのめっきに使われる。鉄よりも亜鉛はイオン化傾向が大きいが、亜鉛は空気中の酸素と反応し表面に酸化皮膜を作るため、鉄そのものよりも防錆性が高い。

クローメト処理

クローメト処理とは、亜鉛めっきに施される後処理で、亜鉛皮膜の変色防止および装飾、また皮膜の耐食性を高める効果がある。青色を帯びた銀色である光沢クロメート(ユニクロ)、虹色をおびた金色である夕色クロメート(クロメート)、艶のある黒色の黒色クローメート(黒亜鉛)、深緑色の緑色クロメートがある。

アルマイト

アルマイトとはアルミニウム用のめっきであり、耐食性や耐摩耗性を付加するために用いられる。皮膜が薄いため精度を必要とする部分に用いられる。白アルマイト、硬質アルマイト、黒アルマイトのほか青や赤など様々な色がある。

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