防錆|金属の錆を防ぐための対応や処理方法

防錆

防錆とは、金属を防ぐための対応や処理方法をいう。金属は酸素や水と反応して錆を生成する傾向があり、その結果、強度や外観に悪影響を与えることがあるため、防錆処理が重要である。錆(さび)に強いステンレスや樹脂の利用や塗装やめっきなどの表面処理を扱う場合も多い。防錆処理は、金属製品や構造物の耐久性を維持し、長寿命化を図る上で欠かせない技術である。


防錆の必要性

防錆は金属の寿命を延ばすために非常に重要である。金属が錆びると、強度が低下し、建築物や機械部品などの安全性や機能が損なわれる可能性がある。特に鉄や鋼材は錆びやすく、適切な防錆処理を行わないと構造物の寿命が大幅に短縮される。防錆は、環境条件に応じて適切な処理を選び、金属の性能を維持するための重要な手段である。

錆に強い素材

防錆対策のひとつで錆に強いステンレスや樹脂、耐候性鋼(コールテン鋼など)を使うことは防錆における有効な方法である。

ステンレス

不透鋼といわれるオーステナイト系ステンレス(SUS304、SUS316など)は錆に強い素材である。ステンレスの表面は3酸化クロム(Cr2O3)の薄い透明な皮膜で保護されおり素材をから不正でいる。炭素鋼などの別種の金属と接すると、酸化皮膜が電位差の関係で破壊され、赤錆が発生するため、注意が必要である。

樹脂

PTFEやPOMなどの樹脂(プラスチック)は、にくいため、防錆対策で非常に有効である。金属にはない絶縁性もあるため、電気部品などにも有効である。

耐候性鋼

耐候性鋼とは、通常の鉄鋼に比べて大気中での腐食に強い特性を持つ鋼材であり、表面に形成される緻密な酸化皮膜が内部のさらなる腐食を防ぐ役割を果たしている。この酸化皮膜は、露出する環境で徐々に形成され、適切な条件下ではそれ以上の錆の進行を抑えるため、塗装なしでの使用が可能であることが多い。

金属の素地調整

防錆をするには金属表面に塗装やめっきなどの表面処理を施す必要があるが、その前の下準備として、や油脂を除去して素地の調整をしなければならない。一般的に素地調整の方法はケレン等級によってえらばれる。

一種ケレン

一種ケレンには、ショットブラスト、サンドブラスト、ベレル研磨、酸性洗浄、アルカリ洗浄がある。もっともレベルの高い素地調整で、ミルスケール・を完全に除去し、鋼材の素地を95%は露出する加工である。いずれも特定の設備が必要である。

二種ケレン

二種ケレンにはデスクサンダや空圧電動工具による機械加工で、基本的にはを完全に除去する方法である。油脂・水分は完全に除去される。

三種ケレン

三種ケレンには、ワイヤブラシやサンドペーパなど簡易の手動工具で行うもので、浮錆、浮スケール、油脂、汚れなどを除去する方法で、かすかな金属光沢を持つ。

プライマ塗装

プライマ塗装とは、素地調整した面を一時的に保護するための下塗りである。プライマは金属に付着し、上塗り塗料との親和力のある塗料で、防錆効果がある塗装はラッカープライマ、ジンクリッチプライマ、ウオッシュプライマがある。

塗裝

塗装は、金属表面を塗膜で覆うことで酸素や水と接触するのを防ぎ、錆の発生を防ぐ方法である。まず錆止め塗装を行い、その上に保護塗装を施すことで耐久性を向上させる。塗膜は紫外線や雨風により劣化するため、定期的な再塗装が必要である。塗料の多くは、樹脂と顔料を溶剤に分散させたコロイドであるが、樹脂にはラッカー系、フタル酸系、エポキシ系、ポリウレタン系などがある。

塗装の種類

  • ラッカー系塗装:1時間で乾く速乾性で扱いやすい。ただし、肉もちや付着力、見栄えが悪い。
  • フタル酸系塗装:乾燥に20時間かかるが、付着力、肉厚感、光沢があり、耐油性、耐薬品性、耐候性ともに優位がある。審美性が優れている。
  • エポキシ系塗装:密着力に優れ、硬度が高く、可撓性があり、耐候性・耐薬品性に優れている。乾燥炉で30分程度の加熱が必要である。
  • ポリウレタン系塗装:乾燥が速く扱いやすい。塗膜に弾力と光沢があり、耐候性・耐溶剤性・耐薬品性がある。

めっき

めっきは、金属表面に別の金属層(亜鉛、クロムなど)を被覆する方法である。亜鉛めっきは、鉄を腐食から守るのに非常に効果的で、特に屋外で使用される金属部材に広く利用されている。クロムメッキは装飾性と耐食性を兼ね備えており、車のバンパーや器具の表面仕上げに使用される。

亜鉛めっき

亜鉛めっき(ガルバニゼーション)がは、溶解めっきの代表されるめっきで、亜鉛の溶融浴に部品を浸漬して引き上げ、 被覆を形成する。浴槽に丸ごと入れるためどぶ付けともいわれる。亜鉛は鉄鋼よりイオン化傾向が大きく電気的に犠牲陽極となるため、亜鉛めっき層が剥がれない限り、防錆効果が期待できる。

黒染め

黒染め(ブルーイング)は、部品表面に黒色酸化鉄皮膜を生成し、鉄自体を保護する役割を果たす。六角穴付きボルトや銃身にみられる黒い皮膜で、見た目も黒く仕上がるため、塗装不要で装飾性もよい。皮膜は四三酸化鉄 (FesO4) だが、水分があると三二酸化鉄(Fe203) に変わり、赤錆になる。錆に対しては他の防錆対策よりも劣るため、油などの保護剤と組み合わせて使用することが一般的である。

防錆油

防錆油は、金属表面に塗布することで水や空気との接触を遮断し、の発生を防ぐ方法である。特に、機械部品や工具など、定期的に使用される金属部品に対して効果的である。この方法は簡便で、油を塗布して保護し続ける限り、長期間錆を防ぐことが可能である。