プラスチック
プラスチック(樹脂)は人工的に合成された高分子材料の総称であり、その種類に応じて、さまざまな特性をもつ。特性には、引張強さ、硬さ、耐衝撃性、耐摩耗性、耐食性、耐薬品性、絶縁特性、熱伝導特性などがあげられ、適材適所で我々の日常でも使われている。なお、エンジニアリングプラスチックは機械的性質に優れ、金属材料と比較される材料として使われる。
プラスチックのメリット
- 金属よりも軽量で簡単に成形できる
- 熱が伝わりにくい
- 電気が伝わりにくい
- 耐食性
- 耐薬品性
- 着色が容易
プラスチックのデメリット
- 耐熱性が低い
- 表面硬さが小さい
プラスチックの製造
プラスチックは、原材料を加熱して流動性をもち、加圧成形して作られる。成形した後、再び加熱したときの性質の違いにより、熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチックに大別される。
熱可塑性プラスチック
熱可塑性プラスチック(thermo plastics)とは、加熱によって軟化するプラスチックである。成形した後に再加熱すると再度軟化するため、再利用が可能で、生産されている樹脂の約80%を占める。(PE、PP、PS、PVCで全体の70%以上の生産量)熱可塑性プラスチックの製造は、射出成形(粉末や粒状のプラスチック材料をホッパに入れ、ヒータで加熱した後にノズルから金型に噴出する)によって製品の成形が行われる。
- ポリエチレン(PE)
- ポリプロピレン(PP)
- ポリスチレン(PS)
- ポリ塩化ビニル(PVC)
- アクリルブタジエンスチレン(ABS)
- ポリメチルメタアクリレート(PMMA)
熱硬化性プラスチック
熱硬化性プラスチック(thermo-set plastics)とは、加熱によって硬化するプラスチックである。成形した後は再加熱しても軟化しないため、リサイクルできない。
- フェノール樹脂(PF)
- エポキシ樹脂(EP)
- メラミン樹脂(MF)
- ポリウレタン樹脂(PUR)
- シリコーン樹脂(Si)
- ポリイミド(PI)
プラスチックの成形
熱可塑性プラスチックの代表的な成形法は、射出成形である。この成形は、プラモデルや100円ショップで販売されている生活雑貨などのプラスチック製品の多くは、この方法でつくられている。
汎用プラスチック
汎用プラスチックとは、軽くて汎用性があり、安価なため幅広く用いられている。しかし強度に劣るため、注意が必要である。
- ポリアミド(PA)
- ポリアセタール(POM)
- ポリカーボネート(PC)
- ポリフェニルオキサイド(PPO)
- ポリブチルテレフタレート(PBT)
エンジニアリングプラスチック
エンジニアリングプラスチックとは安価で汎用性の高い汎用プラスチックとは異なり、引張強さや硬さなどの機械的性質の製品である。5大汎用エンプラと、耐熱性の高いスーパエンプラとがある。
- ポリフェニレンサルファイド(PPS)
- ポリエチレンテレフタレート(PET)
- ポリイミド(PI)
- ポリアミドイミド(PAI)
- ポリエーテルイミド(PEI)
- ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)