表面処理
表面処理とは、機械加工した製作物に対し、さまざまな性質を付与するための加工方法である。研磨、成膜、化成処理、塗装、めっき、洗浄など多岐にわたる。製品の表面を硬くして耐摩耗性を高めたり、めっきや塗装を施して防錆・審美性の向上する、ガスや薬品に対する耐食性の向上する、研磨によりなめらかにして高い潤滑性を得る、特殊な洗浄を施すなどがある。
表面処理の目的
表面処理は、材料に対して材質のもつ性質そのままで、耐摩耗性、潤滑性、耐食性、耐熱性、断熱性、導電性、非導電性などの性質を付加することを目的としている。その他、表面性状をよくする研磨や汚れをとる洗浄なども表面処理の目的である。
表面処理の種類
研磨
研磨加工とは、主に表面性状をよくする目的でされる機械加工で、バフによるバフ研磨、ベルトによるベルト研磨、研磨剤を回すことで行われるバレル研磨などの機械で行われる研磨加工に加え、化学薬品で行う化学研磨、電気の力を利用する電解研磨、流体を利用する液体ホーニングなどがある。これらは液体など物理的な加工でないため、機械加工でできない薄くて割れやすいもの、凸凹がおおいもの、配管などに使われる。
今日は地元八潮で共に経営を学んでいる壽山工業さんとタンポさんに行ったぞ!
電解研磨を見させてもらいました!うちで持ってたやつより性能が良く、ステンレスの焼けがガンガン落ちていました! pic.twitter.com/iqo7Bwfyef— 光で笑顔を作る会社ワイ・エス・エムの2代目社長 八島哲也 (@ysmyashima) March 13, 2025
トライボロジー
トライボロジーとはふたつの物体が接触するとき発生する摩擦・摩耗と、その対策にあたる潤滑についての技術の総称である。金属表面を潤滑油で覆うと、金属結合する部分が少なくなり、油(流体)のせん断抵抗が摩擦力となるため、摩耗・摩擦を軽減することができる。
古典的なCVTとして、トライボロジーの教科書にも登場するフリクションドライブ。想像どおり、フリクションプレートの摩耗が激しいのですが、トラクションドライブオイルや素材の改良によって実用化された現在のCVTは、まさに技術の結晶だと思います。 https://t.co/O0Bft2RLch
— ラクトコッキー (@lactococci) May 12, 2025
ブラスチング
ブラスチングとは、ブラストとも呼ばれ、砥粒や砂のようなものを強い勢いで噴きつける加工である。あえて表面性状を悪くする(粗くする)ことで、めっきや溶射などの下地を作ったり、表面を硬化させて耐摩耗性や粘り強さを付与する、錆を取り落とす、などがある。また、砥粒加工や特殊加工を応用して、表面をなめらかに均一にすることを目的でも使われる。そのほか表面に皮膜を作り、耐食性、耐薬品性を付与させるなど利用の幅は大きい。
ブラストってこういうのなんか。 https://t.co/qDyTlnDeHB pic.twitter.com/aCeJ86tvRC
— ミツエ│個室サウナ店長 (@sanshi03) August 28, 2025
表面硬化
表面硬化とは、材料そのものではなく表面だけを変質させることで、素材そのものの特性を維持したまま狙った硬度を得る表面処理方法である。鋼の表面を処理した浸炭、窒素のガスの中で化学反応を起こさせる窒化、小さな球を吹きつけるショートピニング、鋼の表面を焼入れする高周波焼入れ・炎焼入れなどがあり、ピストンや金型に用いられる。
ショットピニングで研磨してんの最高にクールだし多分面だし難しそうなのでウデマエ凄そう https://t.co/bgvJjxOQUT
— しらす じゃこ(価値無) (@zyaco_sirasu) April 4, 2023
高周波焼き入れ
高周波焼き入れとは、部品の表面だけを焼入れ硬化させる方法である。部品に銅コイルを接触させて高周波電流を流すると部品表面に高周波誘導電流が生じ、表面のみ瞬時に赤熱される。さらに冷却水で急冷することで焼入れ焼き戻し効果を出す。主要部分の靭性を保持したまま、表面には一定の硬度が得られる。低炭素の素材には不向きで、その場合は浸炭が用いられる。
スプロケットの高周波焼き入れ pic.twitter.com/JsAiqXDi1p
— J-MAT (@jmat2022) March 9, 2025
浸炭
浸炭は、靭性のある低炭素鋼(S15CK、SNCK、SNCM22など)の表面に炭素を拡散浸透することによって、金属表面の硬度を高くするために行われる表面処理である。高周波焼き入れと同じく表面のみ硬化される。木炭を使う固体浸炭法、COやCH4を使うガス浸炭法、青酸性ソーダを使う液体浸炭法がある。
よく見てる車レストアYoutuberがいて、遂に自分で車のボールジョイントを浸炭焼入れして作ってて草。凄すぎる。 pic.twitter.com/VI0cQAXfth
— Mokko (@Y_Mokko) December 14, 2024
窒化法
窒化法とは、窒化鋼としてアルミ、クロム、チタンなどを含むSACM鋼に窒素を拡散浸透させて、窒化させ部品表面を硬化させる方法である。アンモニア(NH3)ガスの窒素が添加元素と硬い窒化物を作り硬化しする。耐食性耐摩耗性に優れた材質になる。高周波焼き入れや浸炭とは異なり、焼入れが不要なため、材料の部品変形や材質特性の低下がないメリットがあるが、時間がかかるためコストが高い。
金属皮膜処理
金属皮膜処理とは、金属材料で皮膜を形成する表面処理で、めっきや溶射をいう。部品そのものの特性を維持したまま、皮膜を付けることで、防錆や耐摩耗、耐熱など目的に応じた性質を付与させることができる。
めっき
めっきは、金属・非金属の表面に金属を成膜させる技術である。一番は防錆でめっきを施すことで酸化を抑え、機能性を担保することができる。また装飾の目的で施されることも多い。めっきの種類には、電気めっき、溶融めっき、拡散めっき、蒸着めっき、無電解めっきがある。
・黒色無電解ニッケルめっき(金属被膜研究所さん)
・純金めっき(ヱビナ電化工業さん)
・DLCコーティング(イワタツールさん)
・オロル処理(オロルさん)表面処理サンプルみたいになってきた🤔www pic.twitter.com/8zlrOCKVT4
— ハタノ@町工場🔩 (@hatano_works) November 9, 2023
溶射
セラミックスやタンタルなどの素材を金属表面に成膜することによって、その金属に本来は持たない機械的性質を獲得させることである。硬度や耐熱、耐摩耗などの特性を獲得することができる。
今年も色々な現場に行きましたが、
溶射という言葉を初めて知った現場へ。… pic.twitter.com/DnrG1TKUPG— 金谷 勉 @ CEMENT PRODUCE DESIGN (@cementblue) December 27, 2024
金属蒸着法
蒸着法には、化学的蒸着法(被覆金属をガスの化学反応で部品表面に付着堆積させる)と、物理的蒸着法(真空電界中で被覆金属の温度を上げ、イオン化させて部品に付着堆積させる)がある。化学的方法ではTiC、Al203、物理的方法ではTiC、TiNを表面に付着させることができる。
非金属皮膜処理
非金属皮膜処理とは、プラスチックライニング、セラミックスコーティング、塗装などのように非金属材料で皮膜を形成する表面処理方法である。高い耐熱性や耐摩耗性、絶縁性などを目的として用いられ、いずれも特殊な用途で使われるものが多く、金属皮膜より高コストな傾向にある。
セラミックスコーティング
セラミックスコーティングとは、セラミックスをコーティングすることにより、セラミックスのもつ耐熱性や耐食性を金属に持たせることができる。セラミックスそのもので作るよりも安価で複雑な形状を作ることができる。
MNG!
以前からアノード直下のプレートホルダが過熱して銀被膜の載りが悪くなる現象に悩まされてきた。
チャンバーサイズがギリギリな弊害でもある。
40x40x1mmのセラミックス板をセラミックスコーティング剤でホルダに接着してみた。 多分改善する。#これは写真機材である pic.twitter.com/NOZ954MczE— 星烏 (@hoshigarasu) March 31, 2023
プラスチックコーティング
プラスチックコーティングとは、プラスチックをコーティングすることにより、耐摩耗性、耐熱性や耐食性を持たせることができる。
洗浄
洗浄とは、部品に対して汚れを取ることをいう。通常はアルカリや酸性の洗浄が使われる。さらにスケール処理や電気の力で行う電解洗浄、超音波洗浄などがある。
ほら!
これがみんな大好きな超音波洗浄機の中身だよ#名古屋市科学館 pic.twitter.com/yL8O7H5vuT
— ヒロクル.🅿️ (@HirO_KuRN_PID) August 16, 2025
化成処理
化成処理とは、陽極酸化やりん酸塩処理などに代表される。金属材料に電解溶液に浸すことで特定の表面性状を得ようとする表面処理である。耐摩耗性や耐食性など機械的性質を求めるときに使われるが、装飾を目的として施されることも多い。
今週の走る(人体)実験室
カウル付き油冷エンジンの冷却性向上を目的にロッカーカバーを航空用の六価クロム化成処理に出してみました。
処理被膜5㎛、黄金の脳髄が脈動する(CV:銀河万丈) pic.twitter.com/kb59yAyBte— ナイス害 (@Magni_Crower) December 22, 2024