CAC403 (青銅鋳物 ,砲金)
CAC403(青銅鋳物 ,砲金)は、銅を基材とした青銅(砲金)鋳物で、主にバルブ、ポンプ部品、船舶部品などの耐久性が求められる用途で広く使用される合金である。この合金は、銅に錫(Sn)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)などの元素を添加することで、高い耐摩耗性と耐食性を持たせている。砲金という名称は、もともと大砲の製造に使用されたことから由来しており、特に機械的強度と靭性に優れた特性を持つことが特徴である。CAC403(青銅鋳物 ,砲金)は、湿潤環境や化学的に厳しい条件でも優れた耐食性を発揮し、長期間にわたる信頼性を提供する。
CAC403の成分と特徴
CAC403は、主成分である銅に加え、錫、亜鉛、鉛などの元素を含んでおり、それぞれが特定の役割を持っている。錫は合金全体の強度を高め、亜鉛は耐摩耗性を向上させ、鉛は合金の潤滑性を強化し、加工性を向上させる。このバランスにより、CAC403は高い耐摩耗性、耐食性、および潤滑性を持つ鋳物として広く使用されている。また、これらの成分により、CAC403は耐食性が高く、特に海水や化学薬品に対する耐性が求められる用途に適している。
今回もバチクソ綺麗に出来た
砲金は楽でいいよねTM60xP9 pic.twitter.com/wzjnzxHuYr
— ひげんそん (@RiderHigenson) October 28, 2024
用途と応用分野
CAC403は、その特性から、特に水や油を扱う機械部品や装置において幅広く使用されている。例えば、バルブ、ポンプ、船舶のプロペラやシャフトブッシングなど、摩擦や腐食が問題となる箇所での使用が多い。また、流体が流れる配管部品にも利用され、その耐食性により、特に海水のような過酷な環境でも長期間の使用に耐えることが可能である。さらに、摩擦を伴う機械部品においては、鉛の潤滑性が役立ち、機械の寿命を延ばす効果がある。
砲金でトラスロッドカバーを作りました pic.twitter.com/JG0AyOqve7
— たりきこうぼう 田力 翼 (@tariki_fretless) May 24, 2024
機械的特性と鋳造性
CAC403は、鋳造性が良好であり、複雑な形状の部品でも高い精度で製造することが可能である。この鋳造性の高さは、亜鉛や鉛の含有によるもので、溶融状態での流動性が良いため、細かいディテールまで再現することができる。また、機械的特性としては高い強度と耐摩耗性を持ち、すずの添加により全体的な強度と硬度が向上している。これにより、耐圧性が求められる部品や、高い機械的負荷がかかる用途にも適している。
単なる砲金の抜き落とし動画。#色物 pic.twitter.com/a2tlCfQFUC
— 丸英のお肉🍖 (@hide_kakou) April 11, 2019
青銅(砲金)の利点
CAC403を代表とする青銅鋳物(砲金)の最大の利点は、その優れた耐食性と耐摩耗性にある。銅を基材としているため、腐食環境に対して非常に高い耐性を持ち、特に海洋環境や湿潤環境において優れた性能を発揮する。また、鉛の潤滑性により、動きのある部品において摩擦を低減する効果があり、長期間にわたるメンテナンスフリーの運用が可能である。これにより、CAC403は耐久性が重要視される用途において信頼される素材として広く利用されている。
課題と注意点
CAC403にはいくつかの課題がある。まず、鉛の含有により環境負荷の問題が指摘されることがあり、使用に際してはリサイクルや廃棄に関して適切な管理が必要である。また、鉛の含有は加工性を向上させる一方で、環境規制が厳しくなる中で使用が制限される可能性がある。また、銅合金であるため、コストが比較的高く、大量生産においてはコスト管理が重要となる。これらの課題を克服するためには、適切な管理と環境に配慮した材料選定が必要である。