機械加工|機械材料を任意の形状に形作る

機械加工

機械加工とは、機械材料を任意の形状に形作ることをいう。ドリルやエンドミルで形を作る成形加工、曲げたり鋳造したりする成形加工、溶接や接着による接合加工などを組み合わせることで任意の形状を形作る。形状に特殊な性質を付与する熱処理や塗装、めっき、溶射など表面処理も行われる。そのほか、普通の機械加工ではできない特殊な加工(エッチング、3Dプリンタ、放電加工)も一般的になっている。

機械加工の工程

機械加工の工程は主に事前準備、加工、測定、後片付けの4つの工程からなる。事前準備とは、図面を元に適切な工作機械や材料を選定・調達し、加工手順を検討する行程である。必要であれば加工用治具の製作を行う。「加工」とは、工作機械を動かし、材料を任意の形状に形作る工程である。機械加工であれば、ドリルなどで行う切削加工や曲げ加工があるが、メッキなどの表面処理や洗浄なども「加工」の工程の一つである。多くはいくつもの工程が加わる。「測定」 により寸法公差や表面性状が工程内にあることを確認し、最後に清掃や切りくずの処理といった「後片づけ」を行う。

QCD

QCDとは質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Deadline)のことで、機械加工でいえば、図面通りに加工する製造品質、製造原価であるコスト、加工時間などをいう。それぞれの要素に過不足なく条件を満たす必要がある。これらのうち、製造品質はもっとも重要な要素で、寸法精度や表面粗さといった仕様を満たす必要がある。そのうえで、製造原価が安く、加工時間が短い加工法を選ぶ。製造原価とは、販売費などを含まず、純粋にそのモノをつくるのに必要なコストで製造原価を1円でも安く作ることが求められる。

機械加工の種類

機械加工の種類は切削加工(ドリルやエンドミルで削って形状をつくる) 、成形加工(型を使って変形させる)、接合加工(溶接や接着で材料同士を接合する)、特殊加工(レーザーで局部的に溶かす、薬品で溶かす)、熱処理(熱を使って性質を変える)、 表面処理(めっきや溶射で材料の特性を変える。)に代表される。

切削加工

切削加工とは、ドリルやエンドミルで削って形をつくる加工である。一般的な加工で精度が高い。加工に時間がかかり発熱や切りくずが出る。旋盤加工、フライス加工、穴あけ加工、研削加工、研磨加工がその代表である。

成形加工

成形加工とは、型を使って変形させる加工で、薄板を曲げて作る板金加工、金型で形を作る加工、鋳型に溶けた金属を流し込む鋳造加工である。 精度は出しにくいが、加工が早く大量生産が可能である。

力学的エネルギー 切削加工、板金加工
熱エネルギー 鋳造、射出成形、溶接、レーザー加工、放電加工、熱処理
化学エネルギー エッチング、溶射、表面処理

接合加工

接合加工とは、材料同士を接合する加工方法で溶射や接着がある。一体での加工が困難な場合や一体で作るよりコストが安い場合、溶射や接着で形を作ることができる。

特殊加工

特殊加工とは、切削加工、成形加工、接合加工以外の加工で、局部的に溶かすレーザ加工や放電加工を、 薬品の化学反応で材料の溶かして形をつくる加工、3Dプリンタなどの積層加工である。他の加工法では困難な複雑形状や金型などの高硬度の加工などその利用は多岐にわたる。

熱処理

熱処理は熱を与えることで材料自体の特性を変える加工方法である。 一般的な炭素鋼で、焼き入れ、焼き戻し、焼きなまし、焼ならし、高周波焼き入れ、浸炭などの処理で、形は変えないで特別な硬度を与えることができる。

表面処理

表面処理とは、材料の表面に特性を持った膜を付着させる加工で、塗装、めっき、溶射などがある。硬度の素材を付与したり、錆びを防ぐことができる。

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