機械力学|工業・機械に関する力学

機械力学

機械力学とは、工業や機械に関する力学のことで、工業力学、機械振動学とも呼ばれる。機械力学と名づけられたことからもわかる通り、力に関する物理を取り扱う。機械は静止した状態と動かした状態である。静止した物体にかかわる静力学と動いている・あるいは振動したりしている動力学に大分される。機械は動いたり静止したりしていることが多いため、力の働きを正確にとらえなければならない。

機械力学の単位

機械力学の使われる主な単位は下記の通りである。ここからもわかる通り、や速度(直線運動・回転運動)を扱う値となる。

名称 単位 名称 単位
質量 kg 速度 m/s
長さ m 加速度 m/s²
時間 s 角速度
円周動数
rad/s
N(kg・m/s²) 回転数 1/s
モーメント N・m 振動数 Hz

機械力学を扱うテーマ

力の釣り合い、力の合成・分解、モーメント摩擦力、運動方程式、運動量、角運動量、エネルギー動力、振動などを主なテーマとして取り扱う。

静力学

機械力学が扱う分野は動きのない静力学と動きのある動力学がある。静力学は力と力のモーメントがつりあっている場合、物体は静止状態にある。その力の扱いが静力学である。

力の合成・分解

ほかの力学と同様、力をベクトル量として矢印で表現し、力を合成あるいは分解し、つりあいをみることで表現する。平面状でみるときはxyでみればよいが、立体でみるときはxyzで表現するため、複雑化する。

力の合成

モーメント

はしばしば長さをもち、モーメントという形で物体に影響する。モーメントは長さ×力で表現される。

重力・重心

地球上では、物体は重力(質量と重力加速度)をもつ。水平方向の力の働きを考えるときは大きな問題なるが垂直方向に力がかかるときは問題となる。そして、物体は質量が集中するところに重心を持つため、その重心を正確にとらえる必要がある。自動車やトラックなど速度をもつ重たい機械やクレーンなど重たいものを釣り上げる機械などは重心を理解しないと大きな事故につながる。

摩擦力

なめらかでない床に置かれた物体には摩擦力が作用する。静止している物体が動くときは摩擦力が働くため、そのことを考慮しなければならない。

動力学

動力学とは、機械力学の中でも機械が動くときの関係を扱うカテゴリーである。

慣性モーメント

慣性モーメントは回転運動におけるモーメントである。

運動量・角運動量

物体の運動を短時間に受ける衝撃的な力を考えるとき、並進運動を表すときは運動量、回転運動を表すときは角運動量である。

運動エネルギー

運動エネルギーとは、運動するエネルギーで、並進運動で質量mの物体が速度vで運動しているとき、あるいは回転運動で慣性モーメントIoで角速度ωで表されるとき、次式で表される。

ポテンシャルエネルギー

ポテンシャルエネルギーとは、これから運動をするために蓄えられているエネルギーである。自由落下のポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)とばねを利用したポテンシャルエネルギーとがある。

振動

振動とは、周期的に繰り返される運動のことをいい、動力学の重要な概念である。

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