旋盤|円柱、円筒、円錐台などの回転対称部品を加工する

旋盤

旋盤は、切削加工のための工作機械で基本的な切削加工機で、回転する素材に刃物(バイト)を当てて円状や球状に研削する切削加工である。円柱、円筒、円錐台などの回転対称部品を加工するために用いられる。数値制御で加工すると、球面や自由曲面が得ることも可能である。

旋盤

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旋削

旋盤による切削を旋削という。旋削は、工作物を主軸に取り付けて回転させる加工方法で、旋削の対象となる工作物を丸物、あるいは丸物部品と呼ばれる。やカラーなどのリング状の部品、あるいは円板などの形状に加工する。

旋盤の種類

旋盤には、普通旋盤、大物を加工する正面旋盤、重量物を扱う卓上旋盤などがあるが、生産性の高さと熟練した技術者がいらないことからNC旋盤が主力となっている。

普通旋盤

普通旋盤は、一般的な旋盤で、ベッド、主軸台、主軸、心押台、往復台、横送り台、刃物台など、旋盤の基本構造でなされる。主軸端に取り付けたチャックで工作物を把持し、刃物台にバイトなどの工具を取り付ける。心押台はベッド上を移動できる構造になっており、所望の位置に固定される。心押台を利用すると、センタによる工作物の振れの抑止や、ドリルによる工作物への穴あけ作業が可能になる。

正面旋盤

正面旋盤は、工具の向きが普通旋盤90° 異なった構造で外径が大きく長さの短い工作物の面加工に適している。

卓上旋盤

立て旋盤は、普通旋盤を垂直に立てた構造で、 工作物を水平な面に固定するため、比較的大きな工作物の加工が可能な旋盤である。より大形の機種では、テーブル上面が工場フロアと同一になるように据え付け、工作物の搬送を容易にする工夫が行われる。

自動旋盤

自動旋盤は、主軸の回転・停止、工具の切り込みと送り、使用工具の選択、工作物の供給など、一連の作業をすべて自動的に行う旋盤である。主軸内に装着した棒材を必要長さだけ突き出し、各種工具で多工程を加工する。その後、工作物を切り落とし、棒材を前方に送り出して加工をくりかえす。自動加工のため熟練した技術者が必要なく、生産性が著しく高い。

切削三要素

切削三要素として切削速度(N)、刃の送り速度(f)、切削量(t)がある。送りは粗加工の場合、0.2~0.3(mm/rev)、仕上げ加工の場合、0.1(mm/rev)が目安である。なお、切削速度(N)は主軸の回転速度と工作物直径で求められる。

切削3要素

削りの種類

  1. 外丸削り
  2. 面削り
  3. 面取り
  4. テーパ削り
  5. 溝削り
  6. 突切り
  7. おねじ切り
  8. めねじ切り
  9. 穴ぐり
  10. センタ穴
  11. ローレット
  12. 局面削り
  13. 総型削り
  14. 穴開け

バイト

旋盤に用いる刃を「バイト」といい、切れ刃が一つだけの単刃の切削工具を用いる。代表的なバイトに右片刃バイト、突切りバイト、中ぐりバイトなどがある。刃の素材はハイス、超硬(タングステン)、サーメットがある。

 刃物の硬度

右片刃バイト

右片刃バイトは、外丸削りやテーパ削りで円柱の外周曲面を形づくり、端面削りなどで平面をつくることができる。

突切りバイト

みぞ削りや突切りにより円周面に溝を設けることができ、仕上がった部品を素材から切り離すなどの目的似よういられる。しかし、切れ刃幅が細く、その方向に弱いので、外丸削りには使うことができない。

中ぐりバイト

ドリルでは加工できないような大きな穴や、高い精度と表面仕上げが求められる高品位な穴をつくりだすことができる。加工穴の内面にバイトの踵の部分が当らないように「二番面」を取るなどの形状的工夫がなされている。

三つ爪チャックと四つ爪チャック

旋盤における代表的な工作物の取付具で三つ爪チャックと四つ爪チャックに分かれる。三つの爪が回転中心に対して対称に連動して工作物と回転軸が同心になるように把持し、芯がとりやすい。四つ爪チャックは、直交した2方向に対向する四つの爪を設けるので、工作物を回転軸に対して偏心して把持でき、それに伴って把持面に対して偏心した回転形状を形つくることができる。

三つ爪チャックと四つ爪チャック

コスト

同じ基本的な工作機械のフライス盤に比べて加工の工程数が少ないため単価が安い。フライス盤は板材などの角形状の加工を行うが、角形状は6面ある。一方で、旋盤が扱う丸形状は、加工する面が外周の1面と両端の2面を合わせて3面のため、外径すべてを加工する場合、6面加工する必要がある角形状より丸形状のほうが加工コストが安い。

表面粗さ

工作物表面の軸方向の仕上げ表面粗さは、送りによって決まる。

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