帰納的アプローチ|帰納法に基づく問題解決方法

帰納的アプローチ

帰納的アプローチとは、科学や数学、統計学、社会学、経営学、教育学などの問題解決方法として使用される方法論である。帰納法に基づき、個々の具体例や観察結果のデータを集めて、その共通点やパターンを見つけ出し、それを一般的な法則や理論して表現するアプローチ方法である。


帰納法

帰納法とは具体例を集めてそれを一般的な法則とする方法である。1万羽のカラスを集めることで、すべてのカラスが黒いことを証明する方法である。ただし、1万羽1羽目のカラスは白い可能性があり、帰納法の限界もある。帰納的アプローチとは、この帰納法を応用して作られた問題解決方法である。

帰納的アプローチ

帰納的アプローチは、帰納法に基づき、多数の観察データを分析し、それらのデータに共通する特徴を見つけ出し、それを基に一般的な理論を構築することができる。帰納法がそうであるように、多数の具体的な例を集めたとしても、すべての事例に集まるとは限らず、慎重に検証する必要がある。

帰納的アプローチの具体例

人気のお店は人通りの多い店にある。人通りの多い店で店を開くと繁盛するはずだ。(人通りの多い店を開いても人気になるとは限らない。)

人通りの少ないお店はすぐにつぶれる。人通りの少ない通りでお店を開くべきでない。(人通りの少ないほうが有利である場合も多い。)

テレビで宣伝すると、商品が売れる。(テレビで宣伝しても商品が売れるとは限らない)

成績のいい生徒は、本をよく読む。本を読むと成績が良くなる。(本を読んだとしても成績に結びつくとは限らない。)

大きな声を出す先生は、生徒の学力が向上する。それゆえ先生は大きな声を出さなければならない。(声量とは完全にリンクしない)

帰納的アプローチの欠点

帰納的アプローチは一見正しくとも異なった推論があるため注意が必要である。問題解決を図ろうとしても、それが誤ったバイアスとなり、より問題が深まることも多い。

アイスクリームのTV広告をだすと、アイスクリームが多く売れた。(要因はTVではなく夏だったからかもしれない。)

ピアノが弾ける生徒は成績がよい。だからすべての生徒はピアノを弾くべきだ。(ピアノと成績は関係なく、親の年収かもしれない。)

特殊要因図

帰納的アプローチの手法として特殊要因図がある。魚の骨に似ていることからフィッシュボーンチャートとも呼ばれる。現状の状況分析からスタートし、それぞれの工程において、なにが問題か、どう解決していくかを書いていく。

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