人格|カント,西田幾多郎

人格

人格とはそのひとの人間性を指す。人格がよいとは、人間性が優れていることを指す。学問でもさまざまな扱いが成されており、心理学では、性格を意味的に広げて使用され、個人の行動原理を示す。倫理学では、特にカントは、自律した個人が、みずから設定した行動の主体としての個人を指す。また、法律では行為を行う主体のことをいう。

人格主義

哲学者カントは人格という言葉を使う時、みずからの理性の命じる道徳法則に従い、自律的に行為する自由な道徳的主体を示す。人間は、欲求や快楽に流される、動物的な存在であるとともに、理性の立法する道徳法則に従って、自律的に行為する自由な主体としての人格をもつ存在でもある。その人格は、目的として尊重されるべきで、手段と扱ってはならない。カントは、人格に、絶対的価値と人間の尊厳の根拠を認めた。「汝の人格や他のあらゆる人の人格の内にある人間性を、いつも同時に目的として扱い、決して単に手段としてのみ扱わないように行為せよ」

西田幾多郎の人格

西田幾多郎は、自己を知ることで、人格を実現することが善であるとした。真の自己を知れば人類一般の善と一致し、宇宙の本質とも一致するという考え方は、カントの影響も大きく受けていると言われる。内面の心のあり方と外面の行動に矛盾がある状態をよしとしなかった。西田幾多郎は、生涯にわたって理想と現実のギャップに苦しみながらも、人間性の向上と人格の実現が同一であることを目指し続けた。

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