ピン|位置を決める機械要素

ピン

ピンは結合に使われる結合要素の一つで、ハンドルなどのようにあまりの加わらない部品に使われる。部品間のずれや、分解組み立てなどの治具、位置決めなどに利用されることが多い。回転止めにも使われるが、回転によってピンが外れることもあり、負荷が小さい部品しか使えない。平行になっている平行ピン(ノックピン)、テーパがかかっているテーパピン、割りピンなどがある。また、同じ役割を持つ機械要素キーがある。

ピンの種類

ピンにはオーソドックスな平行ピンとテーパがかかっているテーパピン、公差が甘い割りピンが代表的である。プレス機にかかるダウェルピン、ばねの働きを持たせたスプリングピンである。

平行ピン

平行ピン(ノックピン)は平行になっているオーソドックスなピンで位置決めなどに使われる。断面は円形で、呼び径は0.6~16㎜、公差はm6,h7になっているものが多い。ふたつの機械に穴をあけてそこにピンをいれることで位置決めすることができ、精密な位置決めができる。鋼やステンレスでできており、耐久性が高く強い負荷に耐えることができる。種類はA種,B種,C種の三種類ある。

ピンの種類

端部形状 許容差
A種 一方が平面取り、もう一方が丸面取り(叩く方) m6
B種 両端とも平面取り h8
C種 両端とも面取りなし h11
めねじ付き平行ピン

タップ穴(めねじ)がついている平行ピンで、ここにねじを入れて、引き抜くことで取外しを行う。

テーパピン

テーパピンは、テーパになっている円すい形状のピンで、位置決めやハブととの固定などに使われる。1:50のテーパになっているため、平行の穴に対し、途中で止まるような仕組みとなり、抜けにくい。材質は鋼やステンレスでできており、強度が強く再度の利用ができる。先割りテーパピン、めねじ付きテーパピン、おねじ付きテーパピンなどがある。

割りピン

割れているピンで部品のゆるみ止めや落下防止などに使われる。ボルトナットに割りピンをピン穴に入れてゆるみを防止することができる。材質は、鋼や黄銅が用いられている。先端はとがり先やひら先が大きい。安価であるが、壊れやすい。

ダウェルピン

ダウェルピンは硬強度、高精度の打ち込みピンで、高精度なプレス金具の位置決めに使われる。一般のピンよりも精度や耐久性が求められるため、すべて熱処理が施されている。内ねじ付きダウェルピンには空気溝が取り付けられている。

スプリングピン

スプリングピンとは、弾性ある板を円筒状に丸め、ピンの半径方向にばね作用を持たせたピンである。隙間があるため相手穴の精度が問わず使い勝手が良い。ただし強度が落ちるため、強度が必要なところは二つ使うなどの工夫が必要である。隙間にはストレートと波形がある。小形用で打ち込みのときに穴のスジがつかない。

ピンの破断

回転物の位置決め・補助として使われることがあるが、大きな負荷がかかると破断してしまう。このことを利用して、ピンが破断することで軸を守る安全装置としての役割を持たせることができる。

メンテナンス

ピンはメンテナンス性が高く繰り返して利用がしやすい。ノックアウターやピンポンチを使って抜くことができる。

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