テーパピン|位置決めやせん断力を受けるピン

テーパピン

テーパピンはテーパがかかっているピンで部品同士を精密に位置決めしたり、固定したりするための部品である。テーパから部材に食い込み、芯がはずれにくい。

基本構造と機能

テーパピンは一方の端がわずかに細く、もう一方が太くなる円錐形をしており、そのテーパー角度は通常1/50または1/100が多い。この傾斜角によって、挿入時に自動的に芯が合うようになっている。ピン穴も同じテーパー角で加工されており、嵌合性に優れる。打ち込み後は強固に固定されるため、振動や衝撃による緩みが起こりにくい。

テーパピンの種類

テーパピンは部材に食い込むため、タップ(めねじ)が付いているものやボルトがついているものがある。また、先端が割れているものもある。

タップ付きテーパピン

タップ(めねじ)がついているピンで、ここにねじを入れて取り外す。

ボルト付きテーパピン

ボルトがついているピンである。

先割れテーパピン

先が割れているテーパピンを先割れテーパピンという。

使い方

普通、テーパピンが使われるテーパ穴の作業は現場で使われる。部材通しを組み合わせ位置を決めると、そこに下穴に穴をあけて目安を作る。テーパピンは、直線的な丸穴に対しては途中で止まるため、リーマでテーパ穴を作り、最後にテーパピンを打ち込む。現場で行うため、ドリルやリーマ、加工するスペースが必要である。部品を交換すると位置が合わなくなる。

呼び方

利点と欠点

  • 利点:高い位置決め精度、脱落しにくい、コンパクトな設計が可能
  • 欠点:分解時に専用工具が必要なことがある、加工に手間がかかる、繰返し使用に制限がある

テーパピンの材質

テーパピンには一般的に炭素鋼やステンレス鋼が使用されている。炭素鋼はコストパフォーマンスに優れ、一般機械用途に広く用いられる。一方、ステンレス鋼は耐食性に優れており、水回りや屋外機器などに適している。また、特殊用途では真鍮やチタンが使われることもある。

テーパピンと平行ピンの違い

テーパピンと並んでよく使われるのが平行ピンである。平行ピンは直径が一定の円柱形で、抜け止めや位置決めに使われる。だが、摩擦力による固定が弱く、精密な位置決めには向かない場合もある。対してテーパピンは摩擦力と形状拘束を併用するため、より高精度で強固な固定が可能である。

取り付けと取り外し方法

テーパピンは、ハンマーやプレス機などを使って打ち込まれることが多い。打ち込み方向には太い方から細い方へ向けて挿入する。取り外し時には、ピンの細い側にドリル<などで小さな穴を開け、プーラーや打ち棒で押し出す。専用のピン抜き工具がある場合も多い。

JIS規格と寸法

テーパピンは日本産業規格(JIS B 1351)により寸法や形状が規定されている。例えば、標準テーパは1/50で、呼び径や全長の組合せが多数用意されている。寸法は下記が参考値としてあげるが、市場に出回っているものと異なるため、メーカーのカタログを参考とすること。

テーパピンの形状と寸法 4-60

呼び径 0.6 0.8 1 1.2 1.5 2 2.5 3 4 5
d
基準寸法
0.6 0.8 1 1.2 1.5 2 2.5 3 4 5
d
許容差
(h10)
0
-0.040
0
-0.040
0
-0.040
0
-0.040
0
-0.040
0
-0.040
0
-0.040
0
-0.040
0
-0.048
0
-0.048
a
0.08 0.1 0.12 0.16 0.2 0.25 0.3 0.4 0.5 0.63
4
5
6
8
10
12
14
16
18
20
22
24
26
28
30
32
35
40
45
50
55
60
呼び径 0.6 0.8 1 1.2 1.5 2 2.5 3 4 5

4-60はlの寸法を示す。

テーパピンの形状と寸法 22-200

呼び径 6 8 10 12 16 20 25 30 40 50
d
基準寸法
6 8 10 12 16 20 25 30 40 50
d
許容差
(h10)
0
-0.048
0
-0.058
0
-0.058
0
-0.070
0
-0.070
0
-0.084
0
-0.084
0
-0.084
0
-0.100
0
-0.100
0.8 1 1.2 1.6 2 2.5 3 4 5 6.3
22
24
26
28
30
32
35
40
45
50
55
60
65
70
75
80
85
90
95
100
120
140
160
180
200
呼び径 0.6 0.8 1 1.2 1.5 2 2.5 3 4 5

22-200はlの寸法を示す。

テーパピンの呼び方

テーパピン製品の呼び方

ISOによらないテーパピンの形状と寸法 0.6-5

呼び径 0.6 0.8 1 1.2 1.6 2 2.5 3 4 5
基準寸法 0.6 0.8 1 1.2 1.6 2 2.5 3 4 5
許容差 +0.018
0
+0.018
0
+0.025
0
+0.025
0
+0.025
0
+0.025
0
+0.025
0
+0.025
0
+0.030
0
+0.030
0
4
5
6
8
10
12
14
16
18
20
22
25
26
28
30
32
36
40
45
50
55
56
60
63
65
70
呼び径 0.6 0.8 1 1.2 1.6 2 2.5 3 4 5

4-70はlの寸法を示す。

ISOによらないテーパピンの形状と寸法 6-50

呼び径 6 8 10 13 16 20 25 30 40 50
基準寸法 6 8 10 13 16 20 25 30 40 50
許容差 +0.030
0
+0.036
0
+0.036
0
+0.043
0
+0.043
0
+0.052
0
+0.052
0
+0.052
0
+0.062
0
+0.062
0
28
30
32
36
40
45
50
55
56
60
63
65
70
75
80
85
90
95
100
120
125
140
160
180
200
225
250
280
呼び径 6 8 10 13 16 20 25 30 40 50

28-280はlの寸法を示す。