リーマ
リーマ(Reamer)はドリルで空けた穴を精密な穴に仕上げるための精度出しの工具で加工で、複数の刃を持っている。一般にリーマ加工のことを、リーマを通すという。リーマを通すことで穴径の寸法が精度良く仕上がり、内面も平滑にできる。そのため、はめあいによく使われるH7公差といった高精度の穴の加工や穴の内面をなめらかにしたい目的で用いられる。特にベアリング、シャフト、その他の機械部品において、厳密な寸法公差が要求されるところに使われる。なお、はめあいによく使われるH7公差といった高精度の穴の加工はリーマが使われることが多い。
リーマ加工の目的
りーマはドリルで空けた穴に対して精密な精度に仕上げることを目的とする。ドリルであけた穴をキリ穴ともいうが、穴の精度は期待できず、内面の表面も粗い。また、穴径もドリル径より0.1-0.15mm大きくなる傾向にある。ピン穴などの精度が求められる時、ドリル加工に加えてリーマ加工を行う。リーマの仕上げ精度はH7~H9で、たとえば、H7を必要とする場合は、粗加工に加えて、仕上げ加工の2回を行う。

リーマの材質
リーマの材質は高速度工具鋼(ハイス)や超硬合金が使われている。焼入れ鋼の仕上げにはCBN焼結体、アルミニウム合金や非金属にはダイヤモンド焼結体が使用される。
リーマの種類
リーマには手で使うハンドリーマ、機械に取り付けて行うハンドリーマ、テーパーがついたテーパリーマ、らせんの刃のもつスパイラルリーマがある
ハンドリーマ
ハンドリーマは、手動で操作するために設計されたリーマであり、主に低速での加工に適している。作業者が手で回転させて使用し、穴の精度を調整するのに使用される。
EB処理リピート感謝!
ハイスハンドリーマ HR2.985〜5.985 今週お返しです🖐#寿命延長 #無償テスト受付中 #ハンドリーマ pic.twitter.com/0gh9Uionsv— EB処理.com (@ebsyori) August 26, 2024
マシンリーマ
マシンリーマは、機械に取り付けて使用されるリーマであり、高速かつ高精度な加工が可能である。一般的には、旋盤やフライス盤などの工作機械に取り付けられ、自動的に穴の仕上げを行う。
マシンリーマの掛け方!
ちょっと早いけど笑 pic.twitter.com/W9Oq24kYFW
— まさ (@20masa25) December 23, 2022
テーパリーマ
テーパリーマは、テーパ形状の穴を加工するために使用されるリーマである。テーパリーマは、通常の直径よりも大きい入口径を持つため、特定の用途において必要なテーパ形状の穴を作成するのに適している。ピン穴として利用するときは、テーパピンを使う。
テーパリーマで右に30回、穴を大きくする。 pic.twitter.com/yPbmfWeBAW
— しのりえ (@VByAZdulWxJfB4O) March 5, 2023
スパイラルリーマ
スパイラルリーマは、らせん状の刃を持つリーマで、切削抵抗を低減し、滑らかな仕上げを提供する。特に難削材の加工や切りくずの排出に気を付けなければならないときに使う。
スパイラルリーマやブローチリーマがダークソウル3のフランベルジェに見えてくる pic.twitter.com/zAaarcsFhI
— がんぐ (@ganglion2nd) February 16, 2018
チャッキングリーマ
チャッキングリーマは、機械加工用の一種で、刃長が短めに設計されており、剛性が高く高精度な仕上げが可能である。
[加工実況]長ーいリーマーが必要なので、チャッキングリーマーを買う
何に使うためか食い付きが45度。このまま使うと切れにくくて仕上がり悪そうなので研ぐ(新品なのに) pic.twitter.com/QOrbEdRtqA— MAMo-R@町工場の縁側 (@mamo_work) March 7, 2017
調整式リーマ
調整式リーマは、刃の固定位置を微調整することで、特定の範囲内で任意の仕上げ径に変更できる特殊な工具である。
こちらのガスブロックなかなかタイトですので調整式のリーマー買いました
これでバレルのサイズにピッタリ合わせられます! pic.twitter.com/mzuf7yxeMe— BCSミリタリーワールド (@gggMCWggg) August 24, 2022
リーマ加工の実施
穴をリーマ仕上げする場合、まず狙いの穴径の0.1~0.05mm小さいドリルで穴をあけたあとリーマで仕上げ加工を行う。加工中は、切削油や冷却液を使用して熱の発生を抑え、刃の摩耗を防ぐ。加工が完了したら、仕上げた穴の寸法と表面状態を検査する。
直径の目安
リーマは、基本的に下穴の直径よりもわずかに大きな仕上げ径に合わせて選定され、数ミクロンから数ミリメートルの範囲で穴径を精密に調整することができる。
- 小型リーマ:1 mm ~ 10 mm
- 中型リーマ:10 mm ~ 50 mm
- 大型リーマ:50 mm 以上
穴深さの目安
リーマ加工可能な穴の深さは、リーマの全長やシャンク部分の強度に依存する。通常、リーマの加工可能な穴深さは、その直径の約4~8倍が目安とされている。以下は一般的な目安である。
- 小型リーマ(1 mm ~ 10 mm):深さは4倍 ~ 6倍程度
- 中型リーマ(10 mm ~ 50 mm):深さは6倍 ~ 8倍程度
- 大型リーマ(50 mm 以上):深さは8倍以上も可能だが、リーマ自体の強度や加工機の性能に依存
ピン穴加工
リーマはピン穴を作る加工がその代表である。リーマ穴加工したH7のピン穴にピンを差し込むことで、部品の位置ずれを防ぐことができる。
リーマに使用される材質と表面処理
リーマの耐久性と切削性能を決定付けるのは、刃部の材質である。最も汎用的な材質は高速度鋼(ハイス)であり、靭性が高く欠けにくいため、多様な被削材に対応できる。一方で、大量生産や難削材の加工においては、硬度と耐摩耗性に優れた超硬合金製のリーマが採用される。超硬リーマはハイスに比べて高価ではあるが、高速加工が可能であり、工具寿命も飛躍的に延びるため、トータルコストの低減に寄与する。近年では、これらの基材にTiN(窒化チタン)やTiAlN(窒化チタンアルミ)などのコーティングを施すことで、さらに耐熱性を高める技術が普及している。これにより、ドライ加工やMQL(微量油剤供給)加工といった環境負荷の低い手法でも、高精度な穴仕上げが維持されるようになっている。リーマはまさに、現代の精密な切削工具技術の結晶といえる存在である。
リーマ加工におけるトラブルと対策
リーマ加工で頻発する問題の一つに、加工された穴が指定のサイズよりも大きくなってしまう「拡大代(かくだいしろ)」の過大化がある。この原因は主に、工具の振れや不適切な切削速度、あるいは不十分な冷却にある。これに対し、穴が小さくなる「縮小」現象は、被削材の弾性変形や熱収縮によって引き起こされることが多い。また、リーマは絶対に「逆回転」させてはならないという鉄則がある。逆回転させると、薄く鋭利な刃先が瞬時に破壊され、再研磨が不可能な状態に陥るからである。さらに、下穴の表面粗さが悪すぎたり、ドリルによる加工硬化が著しい場合には、リーマの刃が早期に摩耗し、仕上がり精度が低下する原因となる。トラブルを未然に防ぐためには、下穴の状態を厳密に管理し、適切な切削加工の理論に基づいた条件設定を行うことが求められる。
リーマの再研磨とメンテナンス
高価なリーマ、特に超硬製や特殊形状のものは、刃先が摩耗した際に再研磨を行って繰り返し使用される。再研磨では、刃のリード角や逃げ角を正確に維持する必要があり、高度な研磨技術が要求される。使用後の保管においては、刃先が他の金属と接触してチッピング(欠け)を起こさないよう、専用のケースに入れるか、保護材を塗布することが望ましい。定期的なメンテナンスと適切な取り扱いは、加工品質の安定化だけでなく、製造現場におけるコストパフォーマンスの向上に直結する。精密なモノづくりを支える裏方として、リーマの適切な管理は欠かせない工程である。
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