通過儀礼(イニシエーション)|教育学,民俗学,日本

通過儀礼(イニシエーション) initiation

フランスの人類・民俗学者 A.ファン・ヘネップの提唱した用語。通過儀礼(イニシエーション)とは、誕生・成人・結婚・死亡など、人生の重要な節目や区切りに行われる儀礼をいう。 人生儀礼(じんせいぎれい)ともいう。日本では、子どもの成長に伴う通過儀礼としては、初宮・お食初め・七五三・成人式(元服)学校教育の入学式や卒業式などがある。古来では割礼や刺青も挙げられる。マーガレット=ミードによれば、近代社会の成立以前は、子どもは大人になるためのさまざまな試練を含む儀礼を通過することによって、村や部族で大人の資格を持つ者と認められ、大人の仲間入りをした。そこには、青年期という独自の発達段階は存在しない。近代以後、教育制度の確立とともに大人になるための準備期間として青年期があらわれたとする。(参考:モラトリアム

通過儀礼(イニシエーション)
通過儀礼(イニシエーション)

目次

通過儀礼の特徴

  1. 分離~親から離れる、子どもの自分から離れる
  2. 試練~これまで試したことないことを試みる
  3. 再生~大人としての自分に生まれ変わり他者から承認を受ける

そして、青年がどの様な活動をしようとも、このようなプロセスがあれば、それは自分が自分のために行う自分の成人式、通過儀礼となりうる。

日本の通過儀礼

日本においては,子どもから大人への通過儀礼として、男子の成人を示す元服の儀式が行われていた。 「元服」の年齢は、時代や身分,家柄.地域などによって様々であるが、時代が進むにつれて,「元服」 の年齢が高くなる傾向が見られる。
室町時代は、10代前半までに行われていたが、江戸時代では18歳や20歳まで元服が伸びてきた。その原因として、江戸時代が平和的な時代であったこと、食生活の変化、産業構造の変化の影響が考えられる。

通過儀礼の喪失

現代の成人式では若者が事件や騒ぎを起こすようになるなど、各地方自治体の様々な努力にもかかわらず、成人式が形骸化している傾向にある。つまり、成人式それ自体、通過儀礼として役割をはたすことができない。
この形骸化した成人式しかない中で、現代社会は成人式という子どもから大人への通過儀礼が失われていると言いこのような中で、青年は一人一人の自分自身のための大人になる通過儀礼を行わなければならない。


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