炭素鋼の種類|SS,S-C,など

炭素鋼の種類

炭素鋼は、炭素を含んだ鋼であるが、炭素の含有量に対して、軟鋼と硬鋼に分かれる。さらに炭素に主要元素のC,Si,Mn,P,S含む合金鋼がある。炭素鋼一般に使われている素材で構造物には、一般構造用圧延鋼材(SS400など)や可動部分の機械には、機械構造用炭素鋼鋼材(S45Cなど)が使用される。その他、硬度の高い炭素工具鋼鋼材など用途に合わせてさまざまな素材が使い分けれている。

軟鋼と硬鋼

軟鋼:炭素量が0.18~0.30%程度含む鋼で、柔らかく靭性が高いのが特徴である。
硬鋼:炭素量が0.50~10.60%程度含む鋼で強度に優れ、延性は低い。

一般構造用圧延鋼材

一般構造用圧延鋼材は一般的な構造物の用途に扱われ、炭素鋼の中でも一般的に用意られる。車両、船舶、橋など幅広い用途に使われる。SS材(Steel for Stricture)という名前で呼ばれる。一般構造用圧延鋼材にはSS400などが使われるが、この際400という数字は引張強度の最低保証値を表す。JIS記号において、SSはSS400というように3桁の数値が続くが、この数字は引張強さの最低保証値を表している。すなわち、SS400であれば、400N/mmの保証が示されている。しかし、厳密な数字を保証することは不可能であり、最低の値であることに注意しなければならない。なお、一般構造用圧延鋼材は、熱処理をしないで使用しなければならず、車軸や歯車のような、より大きな粘り強さ、硬さ、耐摩耗性、耐熱性などが求められる環境では使用できない。

機械構造用炭素鋼鋼材

機械構造用炭素鋼鋼材(S-C材)は、一般構造用圧延鋼材(SS材)よりも過酷な条件下での使用を目的としている素材である。車軸や歯車などのように、高速で回転しながら大きな力を受けるような環境下で使用される。この点で、単に引張強さだけを目的とした一般構造用圧延鋼材(SS400)とは区別される。過酷な環境下での使用に耐えるべく、主要5元素であるC,Si,Mn,P、Sがそれぞれ何%ずつ含まれるということが、0.05%刻み程度で規定されている。
機械構造用炭素鋼鋼材(S-C材)は引張強さだけが求められる一般構造用圧延鋼材(SS材)に比べ、厳密に設定されており、性質が高く、コストも高い。
JISでは、S30C、S45Cのように表される。SはSteel、Cは炭素で、30や45は炭素量を表している。たとえば、S30Cは0.3%の炭素量、S45Cは0.45%の炭素が含まれている。

炭素工具鋼鋼材

炭素工具鋼鋼材(SK材)とは、工作機械の刃物であるドリルやバイト、フライス、また、やすりやのこぎり、プレスなどの工具に用いられる鋼材である。一般に炭素量が多く硬度や耐摩耗性、粘土に優れている。炭素量が0.60~1.50%の間でSK1からSK7まで7種類に分類されている。なお、炭素量が少ないものはプレスや刻印など衝撃を受けるようなもの、炭素量が多いものはやすりやたがねなどに用いられる。

ボイラおよび圧力容器用鋼板

ボイラおよび圧力容器用鋼板(SB材)とは、高温を高圧で用いられたときにも安定して強度を保つことができる鋼板である。SB材とも呼ばれ、SはSteel、Bはboilerを示している。板厚ごとに含んでいる炭素量が規定されているため、鋼材ではなく鋼板となる。
高温・高圧の厳しい環境下に耐えうる鋼材を実現するため、炭素量を0.20~0.30%に高めて、Mnを0.90%以下に抑えている。また、高温でのクリープ現象を抑えるため、0.45~0.60%程度のMoを含んだ種類もある。

溶接構造用圧延鋼材

溶接構造用圧延鋼材とは、鋼材を溶かして接合する、溶接に適した鋼材である。SM材と呼ばれ、SはSteel、Mはmarineを表している。造船関係で始まったが、現在ではSS材と並んで、工業用として幅広く用いられている。
炭素量は0.18~0.25%であり、JIS記号ではSM490A、SM490B、SM490Cなどで表されている。490とは引張強さを意味し、最低でも490N/mmは保証していることを意味する。そして、A、B、Cの記号は、シャルピー吸収エネルギーの値で分類されており、Aがもっとも粘り弱く、進むに連れて粘度が上がる。

冷間圧延鋼板および鋼帯

冷間圧延鋼板および鋼帯は、常温に近い温度で圧延された代表的な鋼材ある。SPC材ともよばれ、それぞれSteel,Plate,Coldを表している。粘度よりも成形・加工性を求めて作られた素材で、厚い板状の素材を、熱間圧延や冷間圧延などの圧延加工によって薄く加工していく。安価で加工性もよく表面がきれいであるため、板金加工やプレス加工に適している。

  • SPCC:平板のまま、あるいは曲げ加工に用いられる。(Commercial)
  • SPCD(絞り用):自動車のルーフやボンネットなどに使われる。(Drawing)
  • SPCE(深絞り用):自動車のフェンダー(泥よけ)アロントパネルなどに用いられる。(Deep drawing)
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