ひずみ|材料力学,内部応力による変形

ひずみ Strain

ひずみとは、材料力学の用語で、材料外力が加わり、内部に応力を受けて変形することをいう。「変形量/もとの長さ」で表される。単位がない無次元量である。荷重によって引張、圧縮、縦ひずみ、横ひずみ、せん断ひずみ、弾性ひずみ、塑性ひずみ等がある。また、熱応力によるひずみを熱ひずみという。

ひずみによる変形

変形には、大きく引張り、圧縮、せん断、曲げ、ねじりである。

引張 tension

引張とは、引張方向にが加わることでおこる変形で材料は伸びる。

圧縮 compression

圧縮とは、圧縮方向にが加わることでおこる変形で材料は縮む。

せん断 shearing

せん断とは、せん断方向にが加わるこでおこる変形で材料はゆがみ、せん断される。

曲げ bending

曲げは同一面から一方向に加わる変形で材料は曲がる。

ねじり torsion

ねじりは回転方向に加わる変形で、材料はゆがむ。

縦ひずみ

縦ひずみ(垂直ひずみ)とは、材料(ここでは丸棒)の軸方向に荷重Pが作用したときにできるひずみで、 引張りに対応したひずみが正、圧縮ひずみが負で表される。

横ひずみ

横ひずみとは、縦ひずみの長さの変化と同時に起こる直径の変化である。(ここでは丸棒を想定)。縦ひずみが負(圧縮変形)の場合は、横ひずみは正となる.

せん断ひずみ

せん断ひずみとは、せん断荷重によって生じるひずみである。高さに対するずれの比率で表され、ずれ/高さで示される。

ひずみの単位と値

ひずみの単位はなく無次元量である。また、ひずみの値は、×10⁻⁶で小さな値である。鉄鋼では2000×10⁻⁶の範囲(0.2%)がおおよそ弾性範囲で考慮する。

ポアソン比

荷重の方向により縦ひずみと横ひずみに区別されるが、その比をポアソン比という。またその逆数がポアソン比であり、多くの材料において、弾性限度の範囲では一定の値を示す。

熱ひずみ

熱ひずみとは、熱応力によるひずみである。材料に熱が加わると熱膨張を起こし、あるいは冷却すると熱収縮を起こす。その際に材料にひずみが起る。異なる材料を重ねて使うときや高温下で使用するときに、熱ひずみに注意しなければならない。

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