マズロー|心理学,欲求の階層,動機づけ,自己実現

マズロー Abraham H.Maslow

マズロー(1908-1970)はアメリカの心理学者である。主著『動機と人格』『人間性の心理学』。1950年の主流であった神経症の患者をあつかう精神分析学、動物の行動を観察する行動主義の心理学のふたつを批判し、第3の心理学として精神的に成熟した健全な人間の心理を研究の対象にする実存的・人間学的な心理学を提唱した。
また、マズローの自己実現理論は経営学やマーケティング理論にも強い影響を及ぼしており、日本をはじめ世界的な人々に親しまれている。

マズロー
マズロー

目次

欲求の階層

心理学者のマズローによれば、人間の欲求は生理的な欠乏を満たそうとする欠乏欲求・基本的欲求から、創造・価値・自由をめざす成長欲求までの上下の階層をなしている。人間は成長欲求に従って創造的に生き、自分の可能性を実現する自己実現の欲求を満たし、至高体験を得ることによって健全で幸福な人生を送ることができるとした。

欲求の階層
欲求の階層

欲求の5つの階層

自己実現の欲求、他社による承認・自尊心の欲求、集団への所属・愛情に満ちた関係の欲求、身体の安全の欲求、呼吸・睡眠・飲食・性などの生理的欲求の5つの階層がある。
生理的欲求が満たされると、安全の欲求が満たされる必要がある。ついで所属と愛の欲求があり、承認・自尊心の欲求がある。最後に自己実現の欲求がある。下に行くほど、広いためピラミッド型の欲求階層が図式として表される。

動機づけ(motivation)

マズローは欲求の5つの階層の基本として動機づけ(motivation)という概念がある。人は欠乏(needs)を埋めるため、所々の行動を行うが、それが動機づけ(motivation)された行動ということになる。
さて動機づけにはホメオスタシス(恒常性)という概念があり、生物はその内部環境を一定の状態に保ち続けようとする傾向のことをいい、あらゆる欲求がホメオスタシス性(恒常性)をもつとは限らないが、食欲などの生理的欲求はホメオスタシス性(恒常性)を示すとした。従い、生理的欲求は原始的でかつ重要な欲求であるとする。

動機づけ(motivation)の根底思想

マズローは自身の動機づけ(motivation)の理論を、ウィリアム・ジェームズやデューイの機能主義、ヴェルハイマーなどのゲシュタルト心理学の全体論に融合するものであり、フロイトフロムユングといった力動論ととも融合するとした。マズローはこれらの心理学を批判しつつも、素晴らしいところは柔軟に取り入れる学問的姿勢を尊重した心理学者であった。

マズロー
マズロー

自己実現

動機づけは足りないところを充足するだけでなく、成熟や成長に向かうこともある。マズローは自己実現を欲求の階層と関連付けて洗練化する。自己実現をするということは、自身の才能、能力、可能性を生かして自分自身ができるかぎり最善をつくすということである。

自己実現した人物

アメリカの第三代大統領ジェファーソンが第16代大統領リンカーン「自己実現をできた」人物であり、スピノザやアインシュタインは「非常に可能性のある」、ベートヴェンやフロイトは「欠けるところがあるものの、研究に使用可能な者」として扱い、マズローが想定した自己実現の基準は高い。


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