パーソナリティ(人格)personality
パーソナリティとはその人の能力・性格(行動の傾向)・気質(感情の傾向)を総合的にもった、その人の全体的・統一的な特徴をいいい、その人の部分ではなく、その人全体を表しているものである。広い意味で、性格・個性にあたる。
学術的には、人間の主体、独自性を示す概念であり、時間を経過しても、その人の行動に一貫性をもたせ、他の人の行動と違いを表す安定した要因と定義され、身体と心理の両方が一体となった、しかも変化と発展の可能性をもった総合体ともいえる。
パーソナリティの形成
パーソナリティは遺伝的な素質や環境に加えて、対人関係や姿勢、行動の積み重ねが大きく影響する。普通、年齢を重ねるにつれ、その人の経験によって形成される部分が大きい。
パーソナリティの語源
パーソナリティ(personality)は、ラテン語で仮面を意味するペルソナ(persona)を語源としている。ペルソナとは、古代の演劇で役者が自分の役柄をあらわすためにつけた仮面であるが、仮面としてのペルソナが、社会の中で、それぞれの役割を演じる“人格(=パーソナリティ)”を指すようになった。
心理学者オルポートの定義
パーソナリティは個人の内部で、環境への彼独自な適応を決定するような、精神・身体的体系の力動的機構である。(オルポート)
パーソナリティの三つの要素
パーソナリティ(人格)は能力(ability,facult)、性格(character)、気質(temperament)の三つの要素で成り立っている。性格は後天的な環境による影響が大きく、気質は生まれ持った性質である。
能力
能力とは、動作や作業を行う力で知性・感情・意志など身心の諸活動の力を表す
性格
性格とは、その人の行動や考え方の特徴的な型のことである。(一般的にパーソナリティと言うと、性格のこととして使われる。)その人が環境に働きかけながらも自分の欲求を満たすときにとる行動の統一的な型と定義される。性格は後天的なもので、その人が生まれ育ち、社会の中で自らの行動や態度の積み重ねにより、習慣化して持続的な行動規範となることが多い。
- 習慣的性格:生活の中で一定の行為を繰り返しているうちに形成される性格習慣
- 役割的性格:集団の中で自分に与えられた役割に相応しい行動や態度をとるなかで形成される性格
気質
気質とは、感情や情緒の特徴的な型のことをいう。「その人が明るく社交的である」「物静かで落ちついている」といった、その人が生まれながら備わっている感情や性質を指す。気質は、生物学的に規定された先天的・先験的な感情の性質をその特徴とする。