ジャイナ教|不殺生(アヒンサー)を実施する宗インドの教

ジャイナ教 Jainism

ジャイナ教はインドを中心で信仰される宗教で、前6~5世紀に広まったと言われる。開祖ヴァルダマーナ(前549?〜前477?)で、マハーヴィーラ(偉大なる英雄)と尊称される。カーストを否定して、厳しい禁欲・苦行や徹底した不殺生による解脱を説く。ジャイナ教は200万人の信者を持ち、虫一匹を殺さない徹底した不殺生(アヒンサー)を実施することで知られる。信者は今日なお西インドを中心に約400万人(インド共和国人口の0.5%)を数える。

ヴァルダマーナ(マハーヴィーラ)

ヴァルダマーナはジャイナ教の創始者である。クシャトリヤ階層の出身で、出家したのちきびしい苦行をして完全な知恵を獲得した。マハーヴィーラは「偉大な英雄」の意味で尊称である。前6~5世紀のインドは、商工業の発達によりクシャトリア(王侯)やヴァイシャ(庶民)の経済力が高まったが、その社会環境の中でバラモンの権威から離れて、独自で輪廻の苦しみから解脱しようとする動きが生じた。このような新しい思想家を、六師外道と総称され、そのうちの1人がヴァルダマ—ナである。

五戒

ジャイナ教の特徴のひとつが、五戒という律法主義である。ヴァルダマーナは五戒を遵守することによって解脱が成就されると説いた。

  1. 不殺生:生物を殺してはいけない
  2. 不妄語:嘘を言ってはいけない
  3. 不偸盗:盗んではいけない
  4. 梵行 :性欲を出してはいけない
  5. 不所持:所有欲を出してはいけない

六師外道

六師外道の「外道」とは仏教徒からの見方で「仏教以外(異端)の教え」やを意味する。バラモン教を否定し、商人階級に保護されながら革新的な思想運動を展開した6人の思想家を六師外道と称している。

  • アジタ・ケーサカンバリン
  • パクダ・カッチャーヤナ
  • プーラナ・カッサパ
  • マッカリ・ゴーサーラ
  • サンジャヤ・ベーラッティプッタ
  • マハーヴィーラ

不殺生戒

不殺生戒とは、人間だけではなく、すべての生きものを殺さないというジャイナ教の教義のうちの一つ。不殺生(アヒンサー)を実践するためにジャイナ教徒は、虫や微生物も殺さないようマスクで口を多い、路上の生物を踏まぬよう、ほうきをもち歩く。

ジャイナ教綱要

はずべき行為をつねに捨てることが正行とよばれる。それには不殺生などの戒めの区別に従って5種類があると述べられる・・・
すなわち、不殺生、不妄語(うそをいわないこと)、不偸盗(邪達を慎しむこと)、梵行(邪淫を楽しむこと)不所持(所有欲を持たないこと)(の5種類)である。
不注意な行為によって植物や動物の生命を奪わないこと、これが不殺生戒とよばれる
世人にとって5種類の大成は順次に五つの遵守(修習)を伴い、不滅の立場(解脱)を成就する。

バラモン教の否定

ジャイナ教が出現した背景は、形式化し、祭祀主義に傾倒したバラモン教への反発から来ている。ジャイナ教では、ヴェーダの権威を否定し、バラモンの祭祀を認めず、合理的な教えを説いた。

修行者

虫を吸い込んだり踏み殺したりしないため、修行者は口を布で覆い、はだし姿をしている。