ウパニシャッド哲学|バラモン教

ウパニシャッド哲学 Upanishad

ウパニシャッド哲学とは、本来は「秘教」の意味だったが、秘教を述べた一群の文献の名称となった。前600世紀から始まる。バラモン教の根幹をなす思弁的な哲学体系。宇宙の原理と個人の本質が一体となった梵我一如の局地に達することを目標とし、苦行や禁欲などの修行を経て、輪廻からの脱却することを説く。

ウパニシャッド

ウパニシャッド(「奥義書」)は、聖典「ヴェーダ」の最後の部分を形成する古代インドの宗教哲学書である。「近くに座する」の意味で師の傍に仕える弟子に秘義が伝授されることを指した。祭式万能主義に陥ったバラモン教への反省と批判から生まれ、祭式の意義、宇宙の根本原理、梵我一如(ブラフマンとアートマンとを究極的に一致させること)による業式に決定づけられた輪廻からの解脱を説いた。

バラモン教

バラモン階級は絶対的な権威をもっていたが、都市が巨大化し、産業が発展すると、クシャトリヤ階級やヴァイシャ階級が力を持つようになった。しだいに形式化していたバラモン教から思想的な側面が強い宗教であるウパニシャッド哲学が力を持つようになった。

ブラフマン(梵)

宇宙の根源に有る根本原理。宇宙のすべてを生み出し、すべてを包み込む万物の根源で消滅変化する現象を超えた絶対的な永遠の存在。

アートマン(我)

アートマンとは、我々の内なる本来の自己のことである。個人に内在する生命、精神の根源であり、永遠不変の本質を持つ。

業(カルマ)

業(カルマ)とは、ウパニシャッド哲学の観念の一つで、現世の苦の原因となっている過去の行いを意味する

梵我一如

宇宙・万物の根源であるブラフマン (梵)と個人に内在する生命・精神の本質であるアートマン (我) とがもともと一つであること (梵我一如) を自覚することによって、輪廻・業報の世界からの解脱をはかる。ブラフマンは宇宙の一切の根源であるから、個体の本質であるアートマンもから派生し、「このアートマンはブラフマンである」「我はブラフマンである」という真理を悟れば、宇宙の永遠と一体となり、不死を得ることが出来る。断食と瞑想(ヨーガ)などの苦行と禁欲の生活を行い、ブラフマンと一体であることを悟れば、輪廻の苦悩から脱して宇宙の永遠をあずかることができる。

ウパニシャッド哲学

一切の行為をなし、一切の欲望を持ち、一切の香をそなえ、一切の味を含み、全宇宙に偏在し、無言であって、無関心なもの。それこそ心臓の内に存するわがアートマンである。それはブラフマンである。この世を去ったのちに、ブラフマンに合一するであろうと信じている人は、そのこと (アートマンとブラフマンが一体であること)について何の疑念も抱かない。

輪廻思想

ウパニシャッド哲学には「霊魂は不滅であり、行為(業)の結果に従ってさまざまに姿を変えて生まれ変わる」という輪廻思想が認められる。輪廻思想は後世の諸宗教に大きな影響を与え、またカースト制度を支える思想ともなった。