アウグスティヌス|生涯,神の国,教父哲学,恩寵,三位一体,倫理

アウグスティヌス Augustine 354〜430

アウグスティヌスは中世ヨーロッパの神学者。主著は、「神の国」「告白」「三位一体論」。キリスト教会の最大の教父。北アフリカのローマ領の小都市他が捨てに異教徒の父とキリスト教徒の母との子として生まれた。若い頃は女性や演劇に熱中して欲望のままに放浪のままに行きた。19歳でカルタゴに遊学してキケロを学び、そこから9年間、マニ教に熱狂するが、やがてマニ教から離れ懐疑論を持つに至る。その後ローマにわたり、ミラノで弁論術の教師となり、司教アンブロシウスから深い人格的感化を受けた。神を望む心と罪へと向かう自由意志への矛盾へと悩み、32歳のときに聖書を開いたことから、キリスト教へと回心した。洗礼を受けて修道士の生活を送り、司教に就任。異教徒の論争の中で多数の著作を残した。

アウグスティヌス

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アウグスティヌスの生涯

アウグスティヌスは、北アフリカの小都市タガステ出身。母親が熱心なキリスト教徒であったため、キリスト教とは早くからかかわりをもっていた。16歳でカルタゴに遊学した折には、放蕩生活を送るが、18歳の時には哲学にめざめ、善悪二元論を説くマニ教の信者となった。しかし、アリストテレスの哲学を学んでマニ教から離れ、ローマに出て修辞学の教師をしながら新プラトン主義の哲学を学び、哲学研究の道に進む。アウグスティヌスの偉大なる功績に比べ、キリスト教に回心するのは遅く、32歳の頃、パウロの書簡に感銘を受けて、ミラノでキリスト教に回心した。その後は司教となり、キリスト教の教義と教会体制の確立のためにその生涯を費やした。

アウグスティヌスのキリスト教の特徴

アウグスティヌスは、初期キリスト教会の教父で、パウロが説いた原罪、贖罪、三元徳(信仰・希留・愛)、恩寵予定説、三位一体説などをギリシア哲学をベースに理論化し、教父哲学を確立した。また、独自の歴史観を持っており、歴史を「神の国」と「地上の国」との戦いとした。

教父哲学

教父とは、キリスト教を異教的な勢力の攻撃からまもるため論争や弁明を行い、キリスト教の正当な教義に努めた古代ギリシアの指導者のことをいう。アウグスティヌスはキリスト教の教義をプラトン哲学の適用によって確立し、教父哲学を生み出した。これは異端の排除を行うという側面がある。

アウグスティヌス

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三位一体論

三位一体論とは、父なる神、子イエス、聖霊は本来一つのものである、神はその本性においてこれら三つの位格(ペルソナ)をもつとした。父なる神は子なるキリストになってこの世にあらわれ、神の愛や意志を伝える精霊によってみずからを啓示する。

恩寵

恩寵とは、理想と肉欲の矛盾に苦悩しながら、これを乗り越え「人は、ただ神の愛によってのみ救われる」ということである。
神はアダムに自由意志を与えたが、アダムは神に背いて罪を犯したため、その現在によって人間は善をなす自由を持たず、悪へと傾かざるをえない自由しか持たない。人間は神の永遠の善をなす自由を持たず、悪へと傾かざるをえない自由しか持たない。その状況から脱するのは神の恩寵のみであると説いた。そして、信仰そのものも神によってもたらされる恩寵と考え、恩寵は、神の絶対的な力と知恵により人間にに無償に与えられる救済である。さらにそもそも人間は神の恩龍によらなければ善を欲することもできない。人間はこの神の恩龍によってのみ救済される。

偉大なるかな、主よ。まことにほむべきかな。汝の力は大きく、その知恵ははかりしれない。しかも人間は、小さいながらもあなたの被造物の一つの分として、あなたを讃えようとします。それは、おのが死の性を身に負い、おのが罪のしるしと、あなたが「たかぶる者をしりぞけたもう」ことのしるしを、身に負うてさまよう人間です。
それにもかかわらず人間は、小さいながらも被造物の一つの分として、あなたを讃えようとするのです。
よろこんで、讃えずにはいられない気持にかきたてる者、それはあなたです。あなたは私たちを、ご自身にむけてお造りになりました。ですから私たちの心は、あなたのうちに憩うまで、安らぎを得ることができないのです。

教会の権威の確立

アウグスティヌスは神の恩寵にあずかれるのは、教会のみだとし、教会の権威を確立するにいたった。教会は、神の恩龍を媒介する、重要な役割を果たす。教会は神の国の代理人であるといえる。

「神の国」と「地上の国」

アグスティヌスは主著である『神の国』で、世界の歴史は、神を愛し自己をさげすむ「神の国」と、自己を愛し神をさげすむ「地上の国」との争いであるとした。キリスト教の歴史観の礎を築いた。不正や争いに満ちた地上の国に対し、神の国には善と平和がある。神の国は本来は天上にあるが、その民は地上に生きるあいだは異国人としてそこにいるにすぎないが、地上における神の国の代表である教会を通じて神の国に属する。キリスト教徒は地上でも神の教えに従って愛と平和を実践い、善と悪との争いは、善が必ず勝利をおさめ、いずれ神の国による支配がはじまるとした。

『神の国』

『神の国』とは、西ゴート人のローマ侵入を契機に、413~427年にかけてアウグスティヌスが執筆した著作である。22巻からり、崩壊に向かうローマ帝国を救うために、神と教会への信仰が必要であるとした。教会権威を確立した神学書であるとともに、キリスト教的世界観を示されている。

『告白』

『告白』は、アウグスティヌスの自伝である。幼少年時代の生活から、マニ教をへてキリスト教にたどりつくまでの心の記録を描いている。

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