せん断加工

せん断加工

せん断加工は、プレス加工の一種でプレス機械に金型を設置し、金属の板に金型を押し付ける(プレスする)ことで、金属の板をその金型のかたちに加工する方法である。身近なところでは穴開けパンチがそれにあたる。プレス抜き加工や板金の打ち抜き加工がそれにあたる。日常では、紙に穴をあける穴あけパンチ加工で使われている。

プレス抜き加工

プレス抜き加工は、工具であるパンチとダイスによって目的の形状に打ち抜く加工である。相当、大きい圧力で金型を押し付けるため、切断面の状態が問題となる。切断面の良否は、工作物の材質と工具同士のクリアランス(隙間)に左右され、また、穴のあいた板が製品か、抜かれた板が製品かによって、工具形状(シャー角)が変化する。

切断面

せん断加工された切断面は切削加工された面とは異なり、切口の状態に問題になることが多い。切り口の状態は、だれ面、せん断面(バニシ面)、破断面、かえり面(バリ面)などの変形面を伴う。これらの変形面は材料の延性や強度、工具刃先、クリアランスなどの加工条件によって異なる。

クリアランス

クリアランスとは、工作物の材質と工具同士の隙間(支点から力点までの間)である。クリアランスは、せん断面状態や加工能力、工具寿命などに大きく影響し、不良品の出現率に影響する。適正なクリアランスでは、せん断面が板厚の1/3~1/2の割合で、均一に発生する。過小な場合、二次せん断面が発生し、だれ面が小さくなる。一方、過大な場合、だれ面やバリが大きく発生する。適正なクリアランス値は材料の材質や板厚により異なる。『実用値=%×材料板厚=片側クリアランス』で調べることができる。

主な材料のクリアランス値

  • 鉄系 5~10
  • ステンレス系 7~11
  • 銅 3~9
  • 黄鋼 4~9
  • アルミ系 4~8
  • リン青銅 5~10

板金の打ち抜き加工

板金の打ち抜き加工の場合、パンチとダイスのすきまは、一般に板厚が厚くなるほど大きくする。

シャー角

シャー角は、パンチとダイス相互の刃のなす角である。シャー角がない状態だと、瞬間的に大きなせん断力がかかるため、機械への衝撃や騒音、振動の原因となる。パンチやダイスにシャー角をつけることで、それらを小さくおさえることができる。なお、シャー角を付けると、また、抜かれた材料は変形し、穴抜きの場合はパンチ側にシャー角を取り、ダイス側は平らのままとする必要がある。外形抜き(抜いた板が製品)の場合では、反対にダイス側にシャー角を付け、パンチ側は平らのままとする。そのため、金属の板をプレスで円形の外形抜き(抜いた円形の板が製品)を行うときは、ダイスの径を製品の径と同じとし、クリアランスをパンチ側に付け、シャー角をダイス側に設ける。