『法の哲学』ヘーゲル
『法の哲学』(1821)はヘーゲルの主著の一つで人倫について説かれている。法、道徳、人倫の3部構成で、家族。市民社会。国家という人倫の3展開が論じられている。客観的精神が現実の中で法・道徳・人倫の三つに具体化され、さらに、人倫は家族・市民社会・国家の三段階をへて弁証法的に発展する。
「理性的なもの」
「理性的なもの」とは,個人の主観的理性ではなく現実のうちに内在する存在の法則性となるようなものであり、現実において必然的にあらわとなるものという意味である。
埋性的であるものこそ現実的であり,現実 的であるものこそ理性的である
ヘーゲルが理性と現実の一致を説いた『法の哲学』序文の言葉。ヘーゲルにとって理性的に考えられたことは現実離れをした空理空論ではなく、理性的なものこそが現実化して存在しているから、当然、現実世界は理性によって概念的に把握されるものであった。