コンベヤフレーム|ベルトやローラを支える骨格構造

コンベヤフレーム

コンベヤフレームとは、ベルトコンベヤやローラーコンベヤで、ローラ、プーリ、駆動ユニット、ベルトなどを支える骨組みのことである。搬送物の重さとベルトの張力を受け止め、搬送面の水平と直線を保つ。材質は一般構造用圧延鋼材のSS400、ステンレス鋼のSUS304、アルミニウム合金A6063の押出形材の3系統が主流で、搬送重量や設置環境、改造のしやすさを考えて選ばれる。

溶接構造から組立式へと移った経緯

コンベヤが工場の生産ラインに本格的に使われ始めたのは、1913年にフォード社が導入した移動式組立ラインがきっかけとされる。当時のコンベヤフレームは溝形鋼や山形鋼をリベットや溶接でつないだ鋼構造で、一度据え付けると簡単には動かせなかった。この状況を変えたのが、1980年代から広まったアルミの押出成形材である。側面にT溝を持つ形材をボルトで留めるだけで組み立てられるため、ライン変更のたびに溶接し直す必要がなくなった。今では、軽搬送用の小型コンベヤの多くがこの組立式になっている。

フレームを構成するおもな部材

ひと口にフレームといっても、実際にはいくつかの部材の組み合わせでできている。代表的な部材は次のとおりである。

  • サイドフレーム:搬送方向に沿って左右に配置する主材。ローラ軸やプーリ軸受を取り付ける穴や溝を持つ
  • クロスメンバー:左右のサイドフレームをつなぐ部材。フレーム幅を保ち、ねじれを防ぐ
  • スタンド(脚):床からの高さを決める支柱。アジャスターボルトで±25mm程度の高さ調整ができるものが多い
  • リターンローラ受け:ベルト式の場合、戻り側のベルトを支えるローラを取り付ける
  • ガイドレール受けブラケット:搬送物の幅寄せや落下防止に使うガイドを固定する

材質ごとの特徴と比較

材質を選ぶときに見るべき点は、強度、重さ、耐食性、そして加工のしやすさである。3つの主要材質を比べると下表のようになる。

材質 代表規格 密度(g/cm3) ヤング率(GPa) 主な用途
SS400 JIS G 3101 7.85 約205 重量物搬送、鉱山・バラ物搬送
SUS304 JIS G 4305 7.93 約193 食品、医薬品、洗浄工程
A6063-T5 JIS H 4100 2.70 約69 電子部品組立、軽搬送ライン

アルミは鋼のおよそ3分の1の重さで、作業者が手で持ち運べるほど軽い。ただしヤング率も約3分の1なので、同じ断面のままでは鋼よりたわみやすい。そこで、断面を高くして剛性を補うのが一般的である。

鋼製フレームの防錆処理

SS400製のフレームはそのままだと錆びるため、表面処理が欠かせない。屋内なら粉体塗装やメラミン焼付塗装で十分なことが多い。港湾設備や採石場のような屋外では、溶融亜鉛めっきが選ばれることが多い。めっき浴の温度は約450℃と高く、薄板のフレームでは熱で歪むことがある。そのため、板厚3.2mm未満の部材は塗装にするのが現場の感覚である。

たわみをどう抑えるか

フレームの設計で最も気を使うのが、脚と脚の間(スパン)のたわみである。単純支持のはりに等分布荷重がかかると考えた場合、最大たわみ量は次の式で求められる。

δ = 5wL4 / (384EI)

ここでwは単位長さあたりの荷重、Lはスパン、Eはヤング率、Iは断面二次モーメントを表す。スパンの4乗で効いてくるので、スパンを1.5倍にするとたわみは約5倍になる。実際の設計では、脚の間隔を1500〜2000mmにおさえ、たわみをスパンの1/1000以下に収めることが多い。たわみが大きいとローラの高さがそろわず、搬送物が引っかかったり、ベルトが片寄ったりする原因になる。

製作現場での使い分けとコスト感

購買や設計の担当者がよく迷うのが、アルミ組立式と鋼製溶接式のどちらにするかという問題である。材料費だけを比べると、アルミ押出形材はキロあたりの単価が鋼材の数倍になる。それでも、溶接・歪み取り・塗装の工程がいらないため、長さ3m程度の軽搬送コンベヤなら総費用はほぼ同じか、アルミのほうが安くなることもある。納期にも差が出やすく、鋼製で4〜6週間かかるところを、アルミなら2〜3週間で納められるケースは珍しくない。

逆に、1台で数百kgを超える荷物を流すラインや、粉じんの多い環境では、今でも鋼製フレームが優勢である。食品工場ではHACCPへの対応から、ステンレス鋼を使い、洗浄水がたまらないよう溝や隙間を減らしたオープンフレームが求められる。板厚2〜3mmのステンレス板を曲げ加工してチャンネル形にする方法が広く使われているが、曲げ部分の内側に汚れが残らないよう、曲げ半径を大きめにとる工夫が必要になる。

据付けと組立で見落としやすい点

ベルトの片寄り(蛇行)が起きたとき、ベルトやプーリを疑う前にフレームの直角度を確認したい。左右のサイドフレームの対角寸法の差が2mmを超えると、ベルトの蛇行が目立ち始めるといわれる。アルミニウム合金製の組立式フレームでは、ボルトの締め付けが一部だけ強すぎてもねじれが生じる。運転を始めてから1か月ほどでボルトがゆるむこともあるため、M8ボルトなら規定のトルクで締め直す点検を据付け時の手順に入れておくと安心である。床の水平が出ていない現場では、アジャスターで高さをそろえたあと、アンカーボルトで床に固定して振動によるずれを防ぐ。

コメント(β版)