ベルトコンベヤ部品
ベルトコンベヤ部品とは、搬送機械であるベルトコンベヤを構成する要素部品の総称であり、搬送ベルト、プーリ、キャリアローラ、駆動用モータ、テンション装置、フレームなどが含まれる。ベルトコンベヤはJIS B 8805(ゴムベルトコンベヤの計算式)などに基づいて設計され、鉱山の長距離搬送から食品工場の小型ラインまで用途は幅広い。搬送能力や設置環境が変われば要求される部品仕様も大きく変わるため、部品ごとの役割と選定基準を理解することが設備の安定稼働に直結する。コンベヤは連続運転が前提の機械であり、1つの部品の破損がライン全体の停止につながる点で、部品管理の重要度が高い機械でもある。
搬送ベルト
搬送ベルトはコンベヤの中核となる部品である。一般産業用では帆布(ポリエステルやナイロン)を心体とし、表面をゴムで被覆した多層構造のベルトが使われる。ベルト幅は300mm、400mm、500mmといった規格幅が流通しており、搬送物の粒度や質量に応じて選定する。食品や医薬品ラインでは樹脂(ウレタン、PVC)ベルトが主流で、耐油性・耐熱性・帯電防止性など仕様の分岐が細かい。耐熱仕様では100°Cを超える搬送物に対応するグレードもある。現場では、ベルトは消耗品として2〜5年程度で交換するケースが多く、エンドレス加工(接合)の方式がフィンガージョイントか金具接合かで交換工数とコストが変わる。段取り時間を優先する現場では、あえて金具接合を選ぶ判断も珍しくない。
プーリと駆動部品
プーリはベルトを駆動・案内する円筒部品であり、配置場所によって役割が分かれる。動力を伝えるドライブプーリ、末端で折り返すテールプーリ、張力を与えるテンションプーリ、巻付け角を増やすスナブプーリなどである。ドライブプーリは摩擦でベルトを駆動するため、表面にゴムライニングを施してスリップを防ぐことが多い。駆動源には三相200Vの誘導電動機と減速機を組み合わせる構成が一般的で、小型機では0.2〜0.4kW程度、周速は毎分30m前後がひとつの目安となる。プーリ内部にモータと減速ギヤを内蔵したモータプーリも普及しており、駆動部が密閉されるため省スペースで清掃性が高く、食品工場で好まれる。
| プーリ種類 | 配置 | 役割 |
|---|---|---|
| ドライブプーリ | 駆動側末端 | モータ動力をベルトへ伝達 |
| テールプーリ | 従動側末端 | ベルトの折り返し |
| テンションプーリ | リターン側 | ベルト張力の付与・調整 |
| スナブプーリ | ドライブ近傍 | 巻付け角の増加によるスリップ防止 |
キャリアローラとリターンローラ
ベルトと搬送物の質量を支えるのがキャリアローラである。バラ物搬送では3本のローラを谷形に配置したトラフローラが用いられ、トラフ角は20°、30°、45°が標準的である。ベルト下面の戻り側を支える部品はリターンローラと呼ばれる。ローラ内部にはボールベアリングが組み込まれ、重荷重用途ではローラーベアリングを採用する場合もある。ローラは点数が多い消耗部品であり、屋外設備では防水シール構造の良否が寿命を左右する。回転不良のローラを放置するとベルト裏面を局部的に摩耗させ、ベルト交換という高額な出費を早める。ローラ単体の価格はベルトの数十分の一であるため、定期巡回で回らないローラを見つけ次第交換するのが結果的に安い、というのが保全現場の定石である。
軸・軸受まわりの機械要素
プーリは軸に固定され、両端をベアリングユニット(ピロー形やフランジ形)で支持する。軸とプーリの締結にはキーを用い、軽負荷では止めねじのみで固定することもあるが、緩みによるトラブルが多いため緩み止め対策を併用する。傾斜コンベヤでは停止時の逆走を防ぐバックストップ(逆転防止クラッチ)を減速機や軸端に組み込む。駆動方式としてはベルト直結のほか、モータからスプロケットとローラチェーンを介して減速伝動する構成もあり、チェーン駆動は減速比の設定が容易な反面、給油管理が必要になる。
テンション装置と蛇行対策部品
ベルトは使用に伴い伸びるため、張力を保つテンション装置が不可欠である。短い機長ではねじ式テイクアップ、機長数十m以上ではおもりの自重で張力を一定に保つ重錘式テイクアップが使われる。張力不足はドライブプーリのスリップを招き、過大な張力は軸受やベルト心体の寿命を縮める。蛇行対策としては、調心機能を持つセルフアライニングローラや、プーリ外周をクラウン形状(中央を高く)に加工する方法が併用される。蛇行はベルト端の摩耗や粉粒体のこぼれの主因であり、据付時の芯出し精度が後々の保全負荷を決めるといってよい。
付帯部品と材質選定
このほか、ベルト表面の付着物を除去するベルトクリーナ、乗り移り部のスカートゴム、搬送物を投入するシュート、安全装置としての非常停止用プルコードスイッチなどが付帯部品として重要である。腐食環境や洗浄が必要な食品ラインでは、フレームやローラにSUS304などのステンレス鋼を採用し、水洗いに耐える構造とする。部品単価だけで比較すると鋼製の1.5〜2倍程度になるが、衛生管理と防錆メンテナンスの削減効果を含めて評価すれば、ステンレス仕様が総コストで有利になる現場は多い。
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