被覆アーク溶接
被覆アーク溶接とは、溶接棒に被覆材を施した電極と母材との間に電気アークを発生させ、その熱によって金属を融解・接合する溶接法である。電源装置と溶接棒、アースクリップなどを比較的簡易な構成で運用できるため、建築や造船、自動車の補修など幅広い産業分野で活用されている。被覆材が溶融時にガスやスラグを形成し、溶融金属を大気から遮断するとともに接合強度を高める効果がある。
概要
被覆アーク溶接は、被覆アーク溶接棒と溶接される母材をアーク溶接電源に接続し、溶接棒先端と母材との間にアークを発生させる方法である。溶接棒の先端がアーク熱で溶融し、その溶融金属が母材と混ざり合うことでビードが形成される。溶接棒の心線は主に軟鋼などが用いられ、心線の周囲には被覆剤(フラックス)が塗布されている。被覆剤が溶融・分解する際に発生するガスがアークや溶融プールを外気から遮断するため、溶融金属の酸化や窒化を防ぐ効果がある。
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被覆アーク溶接は溶接後スラグという層が出来るのですが塩釜焼きみたいですね☺スラグを割ると綺麗な溶接ビードが✨ https://t.co/YDL1sh6hH3 pic.twitter.com/p9Q3NGy0Ts— 新潟県立上越テクノスクール (@joetsu_techno) April 25, 2025
被覆アーク溶接の用途
- 軟鋼・高張力鋼の溶接を扱う。
- 比較的溶接線の短い中・厚板の、下向き・立(たて)向き・横向き・上向きの全姿勢溶接が可能である。
- 自動・半自動溶接前の仮付け溶接に向いている。
- 硬化・肉盛溶接を行う
被覆アーク溶接・・・溶接棒に被覆材を塗布した溶接。被覆材がアーク熱に、反応し、保護ガスが発生。
#建築工事 pic.twitter.com/arUKtCcxq9— Yoko Hirano (@isfam1991) June 14, 2021
被覆アーク溶接の特徴
- 安価な設備で、手軽にアーク溶接作業を行うことができる。
- 使用目的に応じて、多くの種類の溶接棒がある。
- 溶接速度が遅く溶込みが浅いなど能率的でないが、自動・半自動溶接を用いるほどではない短い溶接線の溶接に適している。
- 薄板の溶接に不向きである。
- 溶接品質が作業者の技術に依存する。
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訓練の一コマ
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被覆アーク溶接は溶接の基本的な構造で、まだ溶接の現場では活躍しており大切な技能です🌟 pic.twitter.com/hSEj87SYsK— 新潟県立上越テクノスクール (@joetsu_techno) December 24, 2024
被覆材の役割と種類
強固な溶接部を得るためには、溶接中の溶融金属を外気にさらさないことが重要である。被覆アーク溶接では、電極に施された被覆材が融解・気化し、アーク周辺に保護ガスを生成することで酸素や窒素などの有害成分の侵入を防ぐ。同時にスラグを形成して不純物を集め、溶接金属の酸化や窒化を抑制する。被覆材にはセルロース系、酸性系、酸化チタン系、低水素系などがあり、溶接部の強度や溶着特性、作業性などに応じて選択される。
使用される電源と極性
電源には交流(AC)と直流(DC)があり、被覆アーク溶接の特性や母材の種類によって使い分けられる。一般的には直流正極性(DC+)を用いると、電極側が高温となり溶加量が多く、深い溶け込みを得やすい。一方で直流逆極性(DC−)は母材側が高温になりやすい特徴がある。交流はトランス式溶接機を用いる場合に適しており、電源装置が比較的安価であるため、個人事業者や小規模工場でも利用されてきた。ただし、安定したアークを得るにはある程度の技能が必要となる。
【金属加工科】
昨年11月のアーク溶接特別教育から始まったアーク溶接の授業ですが、繰り返し訓練を実施して技能を高めてきました。
今年1月13日に愛知県溶接協会で実施した溶接技能者評価試験(被覆アーク溶接A-2F)に希望した訓練生がチャレンジしました。良い結果が出るのが楽しみです。 pic.twitter.com/KyreAl1Iai— 愛知県立名古屋高等技術専門校【公式】 (@meigisen_aichi) January 18, 2023
作業性と適用範囲
被覆アーク溶接は、構造が比較的単純な装置で行えることから屋外工事や高所作業でも利用しやすい特徴がある。また、シールドガスのボンベが不要なため、持ち運びや機器の設置が容易である。ただし、被覆材が燃焼・蒸発して生じるガスや煙が作業環境を悪化させる可能性があり、防塵・換気対策が欠かせない。薄板の溶接にはやや不向きで、溶接部が過度に溶け落ちるおそれがあるため、板厚によっては他の溶接法を検討する必要がある。
スラグ除去の重要性
被覆材が溶けて形成されるスラグは、溶融金属を外気から守り、溶接部の冶金的特性を向上させる役割を果たす。しかし溶接後は冷却固化して接合部を覆うため、適切に除去しなければならない。スラグが残ったままでは仕上がり面に凹凸が残り、外観品質の低下や塗装工程におけるトラブルが生じる可能性がある。手作業でチッピングハンマーを用いて剥がす場合が多いが、作業工数を増やす要因となるため、連続大量生産には向かない場合がある。
関連する溶接法との比較
被覆アーク溶接は、TIG溶接やMIG溶接・MAG溶接などのシールドガス方式に比べると、準備コストや機器メンテナンスの負担が軽減される利点を有している。しかし、スパッタやスラグ除去に手間がかかり、作業効率の面ではやや不利である。さらに、硬化速度や温度管理が難しく、特に高張力鋼やステンレス鋼などを溶接する場合には入熱制御が求められる。一方、屋外や狭所など厳しい環境でもアークを安定的に維持できる点は大きな利点であり、インフラの修繕工事や現地での機器補修などに活用されている。
・溶接するときは空気中の酸素とか水素が大敵
・そいつらを遮断するためにCO2とかアルゴンを使うのが普通 半自動でもTIGでも
・ガス用意できない環境では、半自動だとノンガス用ワイヤを使えばいける 被覆アーク(棒のやつ)はガスもワイヤ送り装置もいらんから電源のみでいいので屋外向き— TUNEUP (@puentu) February 2, 2025
半自動溶接との比較
近年では、ワイヤ送給が自動化された半自動溶接が溶接作業の主流となっている。半自動溶接は作業性や生産性が高く、ビード形成の安定性も得やすい。一方、被覆アーク溶接は溶接棒の交換やアーク長の制御などをすべて手動で行うため、連続作業はやや非効率的である。しかし、屋外や持ち運びを要する現場では、機材がシンプルな被覆アーク溶接が重宝される。応用範囲の広さや機器の低コスト性から、特に補修作業や狭所・高所での溶接に強みを持つ。
あー!もう!被覆アーク溶接無理!!!半自動がいい!!!
なんでこんなにもつかねぇんだよ!!!意味が分かんねぇよ!!!きめぇ!被覆アーク溶接!!! pic.twitter.com/0iAMKnFhDQ— 【108】トゥデイ無限修理 (@cf50chaly108) July 31, 2023
代表的な被覆アーク溶接棒の種類
- セルロース系: 高い浸透力とトンネル状のアーク特性を持つ
- 酸性系: スラグ除去が容易で、ビード外観が良好
- 酸化チタン系: アークの安定性が高く、取り扱いが簡易
- 低水素系: 割れ感受性の高い材料に適し、高靱性を得やすい
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