紀伝体|中国の歴史書の書式,歴史記述

紀伝体

紀元体とは中国の歴史書から始まった歴史記述の方法である。司馬遷の『史記』に始まり、『漢書』で完成した歴史記述の一形式である。本紀(帝王の年代記)・列伝(重要人物の伝記や外国記事)・表(年表)・志(諸制度)に分けられ、歴史記述を行う。本紀・列伝を中心とするこの構成は、以後、中国正史形式の標準となった。

紀伝体の主な項目

本紀:支配者(皇帝・王)の関連事項を年ごとに記述。
世家:皇帝周辺の諸侯の関連事項を記述。
列伝:支配者周辺の人物の一生を記述。
志:天文学、地理、法制度、芸術の関連事項
表:年表、月表

『漢書』

『漢書』は歴史学者である班固が著した劉邦(高祖)から王莽による滅亡までの前漢一代の歴史書である。紀伝体で記述され、12本紀・8年表・10志・70列伝の全120巻からなる。82年頃成立したが、班固の死後、妹の班昭が補修して完成させた。儒教的色彩が強く、整然たる叙述形式の王朝史として後世、正史の模範とされた。また、『漢書』の巻28の地理志に、初めて倭(日本)についての記述がある。

『後漢書』

『後漢書』は、後漢一代を紀伝体で叙述した中国正史の一つ。南朝宋の范曄(398~415)が編纂さんした。120巻からなり、東夷伝の中に、の奴国が光武帝から金印を賜たとの記述がある。

日本の紀元体

日本では、江戸時代の徳川光圀によって編成された『大日本史』が紀伝体の主な例である。

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