甲骨文字|殷墟から出土した亀甲・獣骨に刻まれた文字

甲骨文字

甲骨文字は、殷墟から出土した亀甲・獣骨に刻まれた文字である。主に占いの結果を記しているので、卜辞とも呼ばれる。漢字の原型とされる。1899年の発見以来、約3000文字のうち、王国維(1877ー1927)らの研究により、半数近くが解読された。

占い

甲骨の亀裂から神意を読み取り、吉凶を判断するのが王の役割であった。占いの内容は、祖先神の祭祀や軍事に関する者が多く、占った結果は、甲骨文字で記録された。

殷の発見

黄河の北岸に位置する安陽県に住む農民が、不思議な骨片を見つけ、これが薬屋の手に渡り、薬屋は粉にひいて、「竜骨」として売っていた。18~19世紀、北京在住の清朝の大官王懿栄(いえい)という人物の家に寄食していた考古学者である劉鶚(りゅうがく)は、粉末にする前の原料、すなわち骨片を見て、驚愕した。そこに刻まれていた古拙な文字は、当時知られていた最古の文字よりも、もうひとまわり古い段階の文字であることを見抜き、現地で農民から骨片を買いとった。発掘した場所は、後に殷の都の跡であったことがわかる。

『鉄雲藍亀』

劉鶚(りゅうがく)は、この骨片の収集と研究に没頭し、『鉄雲藍亀』を出版し、甲骨文字の存在が広まった。

金文

金分とは、時代の青銅器にほどこされた銘文である。

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