現象学的還元|フッサール,現象学への方法論

現象学的還元

現象学的還元とは、フッサールが提唱した現象学の方法論である。現象学的還元によって出発点にたつことができる。我々は日常的に世界は客観的・無条件に実在しているという常識の中に生きている。こうした自然的態度を一時保留(エポケー)し、こうした純粋意識を得ることを現象学的還元という。

目次

現象学の方法論

現象学的還元とは、世界は存在している、というような日常、暗黙に前提されている認識態度を、根本から見直すための、現象学における方法論的な手続きである。現象学は、現象学的還元によって自然的態度を改め、感覚に与えられた知覚の、ありのままの記述を目的とする。

形相的還元

形相的還元とは、事実と本質を峻別し、事実から本質へと考察の観点をあらためなおすための態度変更 である。これによって事実学から区別される本質学が成立する。

超越論的還元

超越論的還元は、世界の実在を無批判に断定する習慣的態度、いわゆる自然的態度を一時的に留保(エポケー)し、そのような断定的事実が成り立つ根拠を確かめることである。

純粋意識

形相的還元、超越論的還元にによって意識が純化された「純粋意識」だけがのこる。この純粋意識にたつことが、本質を解き明かしていく、現象学の出発点であるとされる。

現象学的還元の進歩

議論が成熟するにともない、自然的態度と自然主義的態度(自然科学の知的態度)が区別され、現象学が独我論ではないかという批判に対応するため、 自我論的還元と間主観的還元も区別されるようになった。

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