ロジック・メモリデバイス
ロジック・メモリデバイスは、コンピュータをはじめとする各種電子機器の基本構成要素であり、演算処理を担うロジック回路と、情報を保持するメモリ回路を総称して指す。ロジックデバイスは主にCPUやGPUなどに代表されるCMOSトランジスタを用いた集積回路であり、命令の解読や演算、制御などを高速かつ大規模に実行する。一方のメモリデバイスはDRAMやNANDフラッシュ、SRAMなど多様な種類が存在し、それぞれ書き込み・読み出し速度やコスト、保持特性が異なる。データセンターのサーバ群から身近なスマートフォンに至るまで、ロジックとメモリ双方の進化が情報処理能力を左右していると言っても過言ではない。これらのデバイスは微細化と集積度の向上により、より少ない消費電力で膨大な情報を取り扱う高機能化を実現してきたが、その一方で配線遅延やリーク電流など新たな課題も生まれており、プロセス技術の革新と設計手法の最適化が継続的に求められている。
ロジックデバイスの概要
ロジックデバイスは論理演算や制御などの機能を担い、CPU、GPU、ASIC、FPGAなど多様な形で展開されている。基本はMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を構成要素とし、ゲート長の短縮化やFinFETなどの3次元構造への移行によってスイッチング速度と低消費電力を両立している。ロジック回路内部ではゲートスタックの薄膜化や配線層の銅化、さらに近年はゲートオールアラウンド(GAA)構造へと進むなど、少しの遅延やノイズが全体の性能に大きく影響するため、材料選定から微細加工技術までが総合的に最適化されている。
京セラは、DRAM、フラッシュメモリ、ロジックデバイス(マルチDUT)などのウエハプローブカード用に、薄膜単層あるいは薄膜多層メタライズ付きのセラミック多層基板を提供しています pic.twitter.com/ExggE5Ijab
— SEMIXICON (@semixicon) August 20, 2018
CMOSトランジスタの特徴
CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)は、N型とP型のMOSFETを組み合わせてロジックゲートを構築する方式であり、スタンバイ時の消費電力が極めて小さい点が利点だ。電源電圧が下がるほどリーク電流や性能面での制限が厳しくなるが、それでもCMOSは量産性や設計の柔軟性に優れている。微細化を進める過程では、ソース・ドレインの高濃度ドーピングや多層配線技術の導入など、プロセス技術の高度化が不可欠である。今日のロジックデバイスは数ナノメートル台のゲート長を量産段階で実現し、AI計算や高速信号処理などの要求を満たしている。
メモリデバイス
メモリデバイスは情報を蓄える役割を果たし、大きく分けると揮発性メモリ(DRAMやSRAMなど)と不揮発性メモリ(NANDフラッシュ、NORフラッシュなど)に分類できる。揮発性メモリは高速アクセスが可能だが、電源を切るとデータが消失する。一方、不揮発性メモリは書き換え寿命や書き込み速度に課題があるが、電源断後もデータを保持できる。近年は3D構造のNANDフラッシュによって大容量化が進み、SSDの普及を支えているほか、MRAMやReRAMなど新型メモリの研究開発も活発化している。
DRAMとNAND
DRAMはキャパシタに蓄えた電荷でデータを表すためリフレッシュが必要だが、高速読み出しが可能であり、コンピュータのメインメモリとして広く使われてきた。一方、NANDはフローティングゲートまたはチャージトラップを利用し、トランジスタに蓄えられた電荷量でデータを記憶するため電源OFFでもデータが保持できる。垂直方向に積層を重ねる3D NAND技術が登場してからは、ビット単価の低下と大容量化が加速度的に進み、スマートフォンやSSDなどの大容量ストレージデバイスに不可欠な存在となっている。
ロジックとメモリの協調設計
システムの総合性能を高めるには、ロジックとメモリの間で発生するデータ転送のボトルネックをいかに解消するかがポイントとなる。高性能CPUやGPUに高速メモリを組み合わせるだけでなく、パッケージレベルで積層して接続長を短縮する3D積層技術も進展している。ロジック回路の近くにメモリを配置することでレイテンシを削減し、演算効率を飛躍的に高めることが可能となる。また、プロセスルールを統一するSoC(System on Chip)設計では、アナログ回路やセンサなどを含む複雑な機能ブロックがチップ上でシームレスにつながり、省電力かつ高機能なデバイスを実現している。