リンク(節)|リンクとリンク機構

リンク(節)

リンク(節)とは、たがいに接触し、や運動を伝える役割をする部材である。機械は同じ動作の繰り返しのことが多いが、機械や機構の要素の多くはリンク(節)により成立している。一般にリンク細長い棒状の形をしている。複数のリンクを対偶によって連結したもの連鎖といい、連鎖されたリンクをリンク機構という。ショベルや自動機などの機械では、リンク構造を利用して直線運動を揺動運動に変換されている。

リンクの種類

剛節:金属などの剛性のある素材で用いられたリンク
可とう節:ロープなどが用いられた可動域のあるリンク
流体節:油などが用いられた流体のリンク

リンク機構

リンク機構とは、同体とみなしたリンクとそれに対する回り対偶または進み対偶によって連結された機構である。

機素

リンクは相互に接触するが、任意の一対のリンクを取り出すとき、それぞれ機素といい、一対の機素は互いに対偶をなす。

リンクの例:ショベル

リンク機構を利用した機械でもっとも有名な例がショベルである。。土砂を掘り起こしたり、整地作業を行うために、油圧シリンダを利用し、そのロッドを伸ばしたものをリンク機構によりバケットを揺動運動させて土砂をすくう構造となっている。構造がシンプルで耐久性に優れており、気温や天気の変化に耐えることができる。

ショベル

リンク機構とは、同体とみなしたリンクとそれに対する回り対偶または進み対偶によって連結された機構をリンク機構という。

三節連鎖・四節連鎖・五節連鎖

回り対偶で構成されたリンク機構のうち、三節連鎖・四節連鎖・五節連鎖は基本的なものである。三節連鎖の場合は1本が固定されると残りの2本は自由には動かない。四節連鎖はaに対してbの位置が決まるとほかのcとdと決まるため、このような連鎖を1自由度の連鎖(限定連鎖)という。五節連鎖は、角αと角βが決まるとcとdが決まるが、このような二つのリンクによって、そのほかが決まるような連鎖を2自由度(不限定連鎖)という。機械は一定の決まった運動をするように作られることが多く、このような場合には、1自由度機構が用いられる。5本以上は複雑な動きとなるため普通は用いられない。

リンク機構

てことクランク

クランク:静止節に対して完全に回転するリンク
てこ(レバー・ロッカー):完全回転できず、ある角度で往復角運動するリンク

機構の種類

機構の種類は四節機構とその応用である、てこクランク機構(回転揺動機構) 、両クランク機構(二重回転機構)、両てこクランク機構(回転揺動機構)、スライダクランク機構がその代表である。またそのほかの機構として、スライダクランク機構、トグル機構などがある。

てこクランク機構(回転揺動機構)

てこリンク機構(クランク・レバー機構)とは、リンクaを静止節とし、リンクbをクランク、リンクdをてことした機構である。ミシンの足ふみ機構をいう。

てこクランク機構(回転揺動機構)

両クランク機構(二重回転機構)

両クランク機構(ダブル・クランク機構)とは、静止節をリンクbにして、リンクa,bをクランク、リンクdをてことした機構である。船の水かき機構などに利用される。

両クランク機構(二重回転機構)

両てこクランク機構(回転揺動機構)

両てこクランク機構(ダブルレバー機構)とは、静止節をdとし、リンクa,cをてこ、とした機構である。扇風機の首振り機構などに利用されている。

両てこ機構(二重揺動機構)

スライダクランク機構

スライダクランク機構とは、てこクランク機構の応用した機構で往復直線運動にする機構である。ひとつの節を固定節に設けられたガイドに沿って直線運動をする。スライダクランク機構は往復直線運動を回転運動に変える、あるいは、回転運動を直線運動に変えることができるため、広く利用されている。

スライダクランク機構

平行クランク機構

平行クランク機構とは、四節リンク機構の応用した機構で、リンクaとc、bとdとの長さがそれぞれ長さが等しく平行になっている両クランク機構である。リンクaを静止節とすると、クランクbとクランクd はつねに平行に動くことができる。

平行クランク機構

ダブル・スライダー機構

ダブル・スライダー機構とは、四節リンク機構の応用した機構で、二つの節をスライダーに置き換えた機構である。リンクdを固定したとき、楕円定規機構と呼ばれる機構となり、楕円コンパスなどに利用される。また、リンクaを固定したときは単弦運動機構と呼ばれる機構で加振機に利用される。リンクbを固定したときオルダム・カップリンク節と呼ばれる機構になる。

トグル機構

トグル機構図とは、リンクbとcの長さを等しくしたプレス機械で使われている機構である。レバーを押し下げると、リンクbとcはリンクeに引っ張られて直線に近づき、力が下方向に集中するため、dを押す力を大きくすることができる。下記図はトグル機構を利用したトグルクランプであるが、これは溶接や切削加工のワークの取り付け・取り出しの頻繁なところに適しているクランプで、カバーや点検扉の締め付けに使われる。

トグル機構

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