マイクロメータ
マイクロメータは、ねじの微小送りを利用して長さを高精度に測定する接触式の機械式測定器である。外側寸法の測定に広く用いられ、最小読取は一般に0.01 mm、精密型やデジタル型では0.001 mmに達する。構造が単純で堅牢、かつ繰返し精度に優れるため、機械加工の現場から品質検査まで定番工具として定着している。マイクロメータはスピンドルとアンビルの平行・平面度が確保された基準面間に被測定物をはさみ、ラチェット機構により一定測力で当接させて読み取る点に特徴がある。
構造と名称
マイクロメータは、C形のフレーム、固定側のアンビル、移動側のスピンドル、目盛をもつスリーブとシンブル、測力を一定にするラチェットストップ、位置保持用のロックナットなどで構成される。スピンドルねじのピッチは一般に0.5 mmで、シンブル外周に50等分目盛を設けることで1目盛0.01 mmの読み取りとなる。摩耗低減のためアンビルとスピンドル端面に超硬チップが焼きばめされることが多い。フレームには手熱の影響を抑える断熱カバーが備わる。
おはようございます
秋めいてきましたね😌🍂
私事ですがコロナにかかったりなどしていました…
皆様ご自愛ください😇😇・マイクロメータとは
・マイクロメータの仲間たち#再掲です #イラスト #検査工具 pic.twitter.com/aPh8sc6ge2— らてまる(町工場4コマ) (@Genba_kara) September 24, 2025
ピッチと最小目盛
ピッチ0.5 mm×50分割=0.01 mmが標準であるが、100分割により0.005 mmを読む機種もある。デジタル式マイクロメータでは内部で目盛信号を電気的に計数し、0.001 mmの表示分解能を得る。ただし表示分解能と器差(最大許容誤差)は区別され、表示が細かくても系統誤差・直線性・端面の平行度などにより実際の確度は制約を受ける。
【ノギスちゃん検定「初級編」】
マイクロメータの各部名称の問題だよ!空欄に当てはまる名前を次の3つから選んでね!A:アンビル
B:アンマンション
C:アンアパート pic.twitter.com/IvksFPYxRR— ノギスちゃん【㍿ミツトヨ 公式】 (@nonius_mitutoyo) March 19, 2025
測定の手順
測定は準備・当接・読取りの3段階で進める。まずマイクロメータと被測定物の端面を無塵布で清拭し、ゼロ点を確認する。次に被測定物をアンビル側に軽く当て、ラチェットを指先で回して「カチカチ」と数回滑動させ、一定測力で当接させる。最後にスリーブのmm目盛とシンブルの0.01 mm目盛を合算して読み取る(デジタルは表示値を読む)。手の熱でフレームが膨張しないよう、断熱カバー部を持つのが望ましい。
- ゼロ点確認(基準棒やゲージブロックで範囲端も確認)
- 被測定物と測定面の清掃・バリ取り
- ラチェットで一定測力当接(2〜3回の作動が目安)
- 目盛読取りと記録、必要に応じて再現チェック
丁度いいので、こんなふうに使います動画で紹介いたします(`・ω・´)オトガキエチャッタ
コチラは「デジタル式マイクロメータ」さん。初心者さんも扱いやすい数値表示タイプ。刃物の軸の太さを測定します📏
右端の持ち手をカチカチ回し、中のねじを回転させ、対象を挟むことで精密測定できるよ! I pic.twitter.com/oggnIrFbxx— 「微細・精密加工」大好きな町工場 松浦製作所 (@bisai_matsuura) June 3, 2024
種類
代表は外側用で、測定範囲は0–25/25–50/…の25 mmステップで用意される。内径測定には内側用マイクロメータ、段差や深さにはデプスマイクロメータが用いられる。用途別には薄板端面用ブレード型、管肉厚用チューブ型、歯付き軸用スプライン型、ねじ有効径を測るねじマイクロメータ(ワイヤ法に準ずる)などがある。測定対象の形状・表面粗さ・剛性に応じた接触子形状を選ぶことが精度確保の第一歩である。
- 外側用:一般の外径・板厚・段差
- 内側用:内径・溝幅
- デプス用:段差深さ・座ぐり深さ
- 特殊型:ブレード、チューブ、スプライン、ねじ用 ほか
精度・校正と規格
マイクロメータの精度は、直線性、ゼロ点、示差、端面の平行・平面度、測力機構の安定性で決まる。校正は20 °Cの恒温下で、ゲージブロックや基準棒を用いて実施する。一般にJISやISOの規格(例:JIS B 7502、ISO 3611)で最大許容誤差(MPE)が規定され、測定範囲が広くなるほどMPEは大きくなる。日常点検ではゼロ確認、測定面の傷検査、ラチェット作動感覚の確認をルーチン化する。
ゼロ合わせと温度影響
鋼の線膨張係数はおよそ11.5×10−6/Kであり、20 °Cから±5 Kの差でも25 mmで数µmの寸法差が生じ得る。長さ標準は必ず周囲温度に馴染ませ、フレームは素手で長時間握らない。ゼロ補正機構の過度な操作はねじ精度を損ねるため、必要最小限にとどめる。
誤差要因と使い方のコツ
アッベの原理から、測定軸とスピンドル軸を一致させることが重要である。傾いて当たるとコサイン誤差が発生し、面取りやバリは系統的な過大値を招く。表面粗さが大きい場合は測力で押し潰してしまうため、ラチェットの使い方を統一し、数回の繰返し測定で平均をとる。薄物・柔らかい材料は接触面形状を変えるか、比較測定で補う。紙や薄膜にはブレード型マイクロメータが有効である。
ごっつい製品を
ごっつい人が
ごっついマイクロメータで
測定しています
*このマイクロの精度はどうなんやろ?(剛性とか) pic.twitter.com/G64CEvB6sP— J-MAT (@jmat2022) March 20, 2025
保守・保管
使用後は測定面を軽く清拭し、防錆油を薄く塗布する。スピンドルを測定物に締め付けたまま保管しない。ケースに収め、衝撃と埃を避ける。デジタル式は電池電圧低下による誤表示に注意し、定期交換とゼロ点再確認を行う。輸送時は温度ショックを避け、恒温に戻してから使用する。
関連する測定工具
マイクロメータと併用・比較される基本工具として、汎用のノギス、高分解能のダイヤルゲージ、先端形状が細いテストインジケータ、段差深さを測るデプスゲージ、表示が見やすいデジタルノギスがある。スタンド計測ではマグネットベースに取り付けて姿勢を安定化すると再現性が向上する。