キー溝の製図
キー溝（keyway）とは、軸からの動力を歯車などに効率よく伝わるように軸に作る溝である。例えば、歯車側にキー（key）を作り、キー溝に差し込むとで歯車が回転する。キー溝は多用されることから製図ルールが設定されている。
軸のキー溝
軸のキー溝は、キー溝の幅深さ、長さ、位置、端部を表す。キー溝の深さは、キー溝と反対側の軸径面から、キー溝の底までの寸法で表す。ただし、特に必要な場合には、キー溝の中心面における軸径面から、キー溝の底までの寸法（切込み深さ）で表す。なお、キー溝の端部をフライスなどによって切り上げる場合は、基準の位置から工具の中心までの距離と工具の直径とを示す。
テーパ軸のキー溝
テーパやこう配がかかっている軸にキー講を入れる場合は下記の二つのパターンが多い。
こう配
こう配は、こう配をもつ形体の近くに参照線で指示する。参照線は水平に引き、引出線を用いて形体の外形と結び、こう配の向きを示す図記号を、こう配の方向と一致させて描く。
テーパ
テーパは、テーパをもつ形体の近くに参照線で指示をする。参照線は、テーパをもつ形体の中心線に平行に引き、引出線を用いて形体の外形と結ぶ。ただし、テーパ比と向きを特に明らかに示する必要がある場合には、テーパの向きを示す図記号を、テーパの方向と一致させて描く。
穴のキー溝
- 穴のキー溝は、キー溝の幅や深さを表す寸法で指示をする。
- キー溝の深さは、キー溝と反対側の穴径面からキー溝の底までの寸法で表す。ただし、特に必要な場合には、キー溝の中心面における穴径面からキー溝の底までの寸法（深さ）で表す。
- こう配キー用のボス（突起部分）のキー溝の深さは、キー溝の深い側で表す。
- キー溝が断面に現れている場合のボスの内径寸法は、片矢の端末記号で指示をする。
内径に凹または凸がある穴のキー溝
円すい穴のキー溝
円すい穴のキー溝は、キー溝に直角な断面における寸法を指示する。
円筒軸の複数のキー溝
円筒軸の複数のキー溝は、一つのキー溝の寸法を指示し、別のキー溝には個数を指示する。
円筒軸の止め輪溝
円筒軸に設ける止め輪溝は、溝幅および溝底の直径を指示する。
円筒穴の止め輪溝
円筒穴に設ける止め輪溝は、溝幅および溝底の直径を指示する。
