アプリオリ

アプリオリ

アプリオリとは、本来は、「〜より先に」という意味で、経験に先立ち、経験から得られたのではない生得的な経験をさす。反対語は、経験に基づき、経験から得られたものはアポステリオリ(後天的)である。カント批判哲学において有名な言葉であるが、カント以前では、アプリオリをものごとが原因のみから論証的に認識されることを指し、アポステリオリをその既知から経験的に認識されることを指す。

アプリオリ

数学や自然科学

経験に由来しない認識や判断である数学(「7+5=2」)や幾何学(直線は二点間の最短距離である)はアプリオリである。また自然科学の基本命題もいかなる場合でも同様の帰結が導かれるのでアプリオリといえる。

カントの認識論

カントは、経験的に(アポステリオリ)に得られたものは普遍性を持たないと考えた。普遍的な認識を成立させるものは、経験に先立つ主観のアプリオリな能力があると考えた。人間は、対象を認識するためのアプリオリな、時間・空間という感性の形式と思考の枠組みである悟性の思考の形式(カテゴリー)を備えている。(カントの認識論

認識

われわれのあらゆる認識は、経験と共に始まる。しかし必ずしもあらゆる認識がすべて経験から発現するわけではない。

批判哲学

カントは、われわれの認識能力自身の中にアプリオリな形式を見出すことによって、従来の独断論的・懐疑論的立場の両者の弱点を克服することができ、われわれの認識に確実性を保証することができると考えた。

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