めっき|金属皮膜を表面に析出させる表面処理

めっき

めっきとは、表面処理の一種である。主に金属など素材の表面に金などの金属膜を析出させ、耐食性や耐摩耗性など機械的性質やたんに装飾性を高める目的で使用される。電気めっき、無電解めっき、溶融めっきなどの方法がとられる。

電気めっき

電気めっきとは、電気化学的な方法で行われ、加工物を金属イオンを含むめっき液の中で陰極として電解し、その表面に金属膜を析出させる表面処理である。電気めっきでは、水素が金属中に侵入することで水素ぜい化による破壊要因となるので、必要に応じて水素ぜい化除去のための熱処理が行われる。装飾、防食、表面硬化など、その目的におうじていろいろな金属皮膜が使われる。

クロムメッキ

クロムメッキには、クロムのめっきを施す電気メッキである。通常、Hv900程度だが、耐磨耗が必要な場合はHv1100で使用される。ただし、母材が軟らかいと剥離しやすいため下地も硬いほうがよい。なお、工業用途ではなく装飾用めっきとしても使われる。

記号 膜厚(単位㎜) 特長
クロム・銀色 0.01 装飾、 防錆、耐食性、反射性に優れている。
硬質クロム・銀色 0.03 滑らかな表面と均一なコーティングを持つ。

無電解めっき

無電解めっきは、耐摩耗、防錆を目的として行われる表面処理で、素材を溶液の中に入れ、還元剤の酸化作用によって皮膜が形成される。このため、電気めっきのように浴中通電の必要がないため、プラスチックやセラミックスへのめっきが可能となる。

溶融めっき

溶融めっきは、主として鉄鋼材料の防食・耐酸化の目的で行われ、アルミニウム亜鉛、すずなどの低融点金属の溶融液中に材料を浸して引き上げることで、表面に溶融金属を凝固・合金化する表面処理である。俗的にはドブ漬けといわれる。

亜鉛めっき

亜鉛めっきは、防錆を目的としためっきで、素地に対する表面の損傷があっても周囲の亜鉛が素地よりも先に溶け出すため、素地の腐食を抑制する働きがある。亜鉛の溶融浴に部品を浸漬して引き上げ、 被覆を形成する。亜鉛は鉄鋼よりイオン化傾向が大きく電気的に犠牲陽極となるため、亜鉛めっき層が存在する限り、鉄鋼は錆から守られる。(電気めっきもある。)

記号 膜厚(単位㎜) 特長
ユニクロ(光沢) 0.008 装飾、防錆
黒クローメート 0.008 装飾、防錆

アルマイト

アルマイトは、陽極酸化処理法によって成膜されたものをいい、アルミニウムやアルミニウム合金に施される表面処理である。

記号 膜厚(単位㎜) 特長
アルマイト白 0.01 装飾、防錆
アルマイト黒 0.01 装飾、防錆
アルマイト硬質 0.03 耐摩耗 Hv350-400
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