ふく射伝熱|放射伝熱

ふく射伝熱(放射伝熱)

物質はそれぞれの温度に応じたエネルギーを電磁波として放射しており、その放射された電磁波が空間を媒体として他の物質に影響を起こす。放射された物質は、熱エネルギーに変換し、が移動していく。この現象をふく射や熱放射という。

熱放射

熱放射とは、それぞれの温度に応じたエネルギーが電磁波を放射することである。物体から放出された電磁波が、空間を媒体として他の物体に到達すると、電磁波を吸収した物体が再び熱エネルギーに変換されることで、が移動していく。

黒体

黒体とは、熱放射に対しての仮想的な物体で、入射するすべての放射エネルギーを完全に吸収し、反射や透過を許さない物質をいう。

黒体放射

黒体放射とは、黒体から放射される電磁波で、最も多くの放射エネルギーを射出する。

プランクの法則

プランクの法則は、絶対温度Tにおける黒体からの波長λの放射エネルギーEλの次式で定義づけられている。

ステファン・ボルツマンの法則

ステファン・ボルツマンの法則とは、黒体から放射されるエネルギーの量を表す式で、次式で定義される。次式は、単色射出能を全波長の領域を積分することで求められる。次式を見れば絶対温度の4乗で示されていることから、温度が高くなると急激に放射エネルギーの総量が多くなることがわかる。

放射率

現実の物質では、放射エネルギーの量は少なくなり、その割合は放射率として次式で表される。また、放射率が成立している物質は、灰色体・灰色面という。

キルヒホッフの法則

キルヒホッフの法則とは、周囲の温度が同じ場合(熱平衡状態)、吸収率(吸収されるエネルギーの全入射エネルギーに対する割合)と放射率(吸収する放射エネルギーと自ら発する放射エネルギーの量)が同じ値であるという関係である。なお、前提として、黒体でない現実の物体の場合、電磁波があたると、吸収・反射・透過などが行われることがある。

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