「理性的なものは現実的なものであり。現実的なものは理性的である」へーゲル

「理性的なものは現実的なものであり。現実的なものは理性的である」へーゲル

ヘーゲルの『法哲学』の序論の言葉。現実に存在するものは理性の自己展開のあらわれであるという、ヘーゲル哲学の立場をあらわす。哲学の立場からみれば、理性的なものは、現実を遊離した抽象的なものではなく、現実を足場にして具体的に実現されねばならず、現実的なものは、ただ過ぎ去りゆく偶然的なものではなく、理性の自己実現として把握されなければならない。

ヘーゲル

ヘーゲル

現実と理論

アリストテレススピノザが“現実”から出発して“理論”を説いた。その一方、カントデカルトは“理論”をもとにして“現実”を説いた。この“現実”と“理論”の対立にたいし、ヘーゲルはこの対立関係を退け、“現実”と“理論”には相違があるわけではなく、同じものであると考えた。この二つは、現実の現れ方の違いである。「理性的なものは現実的なものであり。現実的なものは理性的である」はそのことを端的にあらわしているものである。

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