締付トルク|ねじをいかなる力で締めるか

締付トルク

ねじは、物と物とを結合することができる機械要素であり、ドライバ、スパナ、レンチなどの工具で回すだけで取付けや取外しができる点で非常に優れている。しかし、その容易さゆえに振動や引張力などに弱く、適切な大きさや数、締付トルクを設定しないとゆるみや破損の原因となり、大きな事故につながる。特に締付トルクは目に見えにくい要素であり、ねじの呼び・材質・強度と被締結部材の材質・強度ごとに異なるため、注意が必要である。

目次

ねじの構造

おねじ(ボルト)に引張力(軸力)を与えて、部材に圧縮力を生じさせることでば、締結機能を確保している。

締付トルク

締付トルクとは、締付工具でねじを回す力の指標である。ドライバ、スパナ、レンチなどといった工具で回してねじを締め付けるが、この締付トルクと締付力(軸力)は比例関係にあるため、締め付けトルクを加えることで、おねじに軸力を与えることができる。この際、適切な締め付けトルクを与える必要があり、設計上の重要な問題となる。

摩擦

締付トルクには摩擦が重要な問題となる。ねじに与えられた締付トルクは100%軸力に反映することはなく、おねじとめねじが接触するねじ面と、おねじの首下の座面と被締結部材とが接触する座面とに生じる摩擦のため、締付トルクの大部分は摩擦熱として失われてしまう。当然、締付トルクの減少、ゆるみの原因となり、摩擦がどの程度発生するかを理解しておかなければならない。一般に締付トルクの力が軸力に寄与するのは10%程度で、トルクの90%は摩擦で失われていくとされる。対策として接触面を清浄に保つ、潤滑材を使うなどがとられる。

締付トルクの計算

締付トルクと摩擦の影響

締付トルクと摩擦の影響

Ft:締付カ
μw:座面の摩擦
Tf:締付トルク
μs:ねじ面の摩擦
締付けトルク(Tf)を100%としたとき、座面の摩擦(μw)で50%、ねじ面の摩擦(μs)で40%が摩擦力として失なわれ、軸カ(締付カFt)に寄与するのは10%程度である。

締め付けトルク管理

締め付けトルクの管理するには、トルク法、回転角法、トルク勾配法という手法をが用いられるが、いずれも、確実に締付トルク(T)を軸力(F)に与えるためには、締付作業のばらつきを抑え、摩擦の状態を安定させてトルク係数(K)の変動(Kmin、Kmax)を小さくしておくことが重要である。

締付軸力の値

締付は、おねじ(ボルト)に締付軸力(F)を与えることによって締めるが、締めていくとボルトの軸部も伸びていく。元に戻る限界(弾性域)を超えれば伸びきった状態(塑性域)から破断に向かう。そのため締付軸力の値が重要となる。

ボルトの伸びに対する締付軸力の変化

ボルトの伸びに対する締付軸力の変化

タイトルとURLをコピーしました